Apple社はパソコンのMacintosh(マッキントッシュ)をはじめ、携帯型デジタル音楽プレーヤーのiPod、スマートフォンの代名詞となったiPadなど、ユニークで革新的なIT機器を次々と発表してきた会社です。

その一方Apple社の”Apple(アップル)”といえば、英語で「リンゴ」を意味するとても親しみのある単語だし、同社はかじりかけの欠けたリンゴのロゴを創業当初のごくわずかな期間を除いて使い続けています。

Apple社と右側の欠けたリンゴのロゴマークは切っても切れない深い関係があります。

それは単なる「親しみやすさ」のイメージを越え、同社の歴史と深くからみ合っているのです。

Apple社の社名の由来とは!?

由来 アップル 社名

Apple(アップル)社は1976年に創業しました。

しかしこのとき、なぜアップル(リンゴ)という名前が付けられることになったのか、同社自身から公式な説明が行われたことはありません。

そのため、このユニークな社名の由来に関して、いろいろな推測が行われました。

たとえば、次のようなものを挙げることができます。

「ザ・ビートルズが1968年に設立した ”Apple Corp(アップル・コア)” の名前にあやかった。」

(スティーブ・ジョブズはザ・ビートルズを尊敬していたそうです。)

「アラン・チューリング(1912-1967、「計算機科学の父」と称されているイギリスの数学者、コンピューター科学者)がリンゴに青酸カリを塗ったものをかじって亡くなったから。」

「Appleはアルファベットの ”A” ではじまるので、電話帳の最初に掲載される。 特にその当時ジョブズが働いていたAtari(アタリ)社より先になる。」

「当時 ジョブズがフルーツ・ダイエットをしていて、社名がなかなか決まらないときにも、リンゴを食べていた。」

これらの推測の中には、完全に的外れのものもありましたが、当たらずしも遠からずといったものも含まれていました。

2011年に創業者のひとりスティーブ・ジョブズが亡くなった直後に出版された彼自身が公認した伝記の中で、ジョブズは彼自身の言葉で答えを語ってくれています。

それは、リンゴが果実食主義者の食事のひとつだったことと、名前を決める打ち合わせの直前に、彼がたまたま知人のリンゴ農園で農作業を手伝っていたことに関係しています。

さらにリンゴの持つイメージが、 元気が良くて楽しそうで、怖さを与えず、コンピューターの持つイメージをちょっとだけ柔らかくしてくれそうなことも関係しています。

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Appleのロゴマークの意味や由来とは!?

Apple社のロゴマークがリンゴであることは、上記の理由により、ある意味で当然のことなのかもしれません。

しかし、なぜそれが欠けた形をしているのでしょうか?

この点に関しても、Apple社は公式な見解を発表していません。

実は、Apple社のリンゴのマークは、ニュートンがリンゴの木から落ちるのを見て万有引力の法則を発見した、という有名な故事にちなんだことまではわかっています。

それは、最初期のApple社のロゴが、リンゴの木の下で本を読むニュートンであったからです。

Apple社のリンゴが欠けていることに対して、最も一般的に通用している説明は「バイト違い」です。

リンゴをかじることを意味するbite(バイト)と、パソコンの容量など情報量の単位として使うbyte(バイト)の発音が同じであることにちなんだものだ、という意味です。

(ただしリンゴがかじったように欠けているのに関しては、他にもいくつかの説が存在します。たとえば、キリスト教の伝承でアダムとイブがかじった「知恵の実」がリンゴとされていることから、パソコンを現代の知恵の実にしたかったのではないか、という説などです。)

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リンゴのロゴマークへの変化の歴史について

由来 アップル 変更

Apple社のロゴは、同社の歴史の最初期1976年には、おなじみのリンゴマークではありませんでした。

前述のとおり、ニュートンと万有引力の法則とリンゴの関係の故事にちなんで、リンゴの木の下で本を読むニュートンを描いた図柄でした。

どこか古めかしさを感じるこのロゴマークは、スティーブ・ジョブズの気に入らなかったようです。

ジョブズは新しいロゴマークのデザインを、アートディレクターのロブ・ヤノフに依頼しました。

その結果ヤノフが作り上げたのが、おなじみの右側が少し欠けたリンゴのマークです。

それ以来、アップルのロゴマークは、一貫して少し欠けたリンゴです。

しかしその色合いに関しては、時代によって変化がみられます。

1977年から1998年まで使われた、初代の欠けたリンゴのロゴには、6色をカラフルに使った、虹のような横縞が描かれていました。

この虹色は単にきれいというだけでなく「とても友好的に見えること」「学生をひき付けること」「Apple II(世界ではじめて完成品として販売されたパーソナルコンピューター)がカラー表示できる機能を持っていることを示す」の3つの意味が込められている、戦略的な要素を持っていました。

虹色のリンゴのロゴは21年間もの長い間、続けて使われました。

しかし、一時Apple社から離れたスティーブ・ジョブズが、会社経営に復帰して1998年にiMac(現在まで続く一体型PCのシリーズ)を発表したときに、この虹色のリンゴが半透明のスカイブルーのリンゴに、続いてブラックのリンゴに切り替えられました。

それ以来現在まで、虹色のリンゴは二度と使われることはなくなりました。

欠けたリンゴの形だけがそのままで、色が単色のものを使うようになったのです。

ジョブズが経営にたずさわっている間、Apple社は時代を画す新製品を発表するたびに、ロゴの色を変更しています。

iPodを発売した2001年には半透明の立体感のあるリンゴ、iPhoneを発売した2008年にはクロムメッキ風のリンゴにロゴのデザインを変更しました。

そしてジョブズが亡くなった後2013年には、フラットなグレーへと次々と変更され、現在に至っています。

まとめ

Apple社と果物のリンゴと、右側が欠けた同社のロゴマークについての話題を、同社の歩みと絡めながらまとめました。

同社と果物のリンゴとリンゴ型のロゴマークの関わりを追いかけて行くと、創業メンバーのひとりで、同社のカリスマ経営者であったスティーブ・ジョブズの顔が、折々に浮かんで来ます。

ジョブズがこの世を去った後のApple社は、当てのない航海を続けている船のようなものかもしれません。

今後もリンゴは同社の象徴であり続けることができるでしょうか?

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