スパゲッティーと呼んでいた頃よりもおしゃれ感がぐっと増したパスタは、どの世代の人にも喜ばれる西洋料理の一つになっています。
パスタだけは他の炭水化物と違って太らないという情報が広がったこともあり、そのときはパスタを食べることが「ダイエット」につながると考えられていました。
パスタはイタリア料理の代表ですが、日本には特有のパスタメニューや文化があります。
今回はこの事も含め、パスタの歴史や基本情報を紹介します。
目次
パスタの名前の由来とは!?
昔は「スパゲッティー」と多くの人が読んでいましたが、今では「パスタ」と呼ぶ人の方が多くなっているかもしれません。
パスタとスパゲッティーは同じ物ですが、細かく分けると「スパゲッティー」は「パスタ」の中の1種です。
「スパゲッティー」はイタリア料理で使われる太さ2mm弱の麺で、「紐」を意味するイタリア語「spago」の複数形が語源です。
そして「パスタ」はイタリア料理で使われる、小麦の加工食品全般を表しています。
つまりパスタはスパゲッティーのような細長い麺に限らず、マカロニのようなショートサイズのものやニョッキのような団子状の物も含まれます。
イタリアではパスタの歴史はとても古く、紀元前から作られていました。
大昔のギリシャ語には「pastos(パストス)」という言葉があり、これは「水をふりかけた」を意味します。
ここから俗ラテン語の「pasta(生地・練り物)」ができ、英語の「paste(ペイスト→パンの記事・練り物)」やフランス語の「pa^te(バット→生地・練り物)」ができました。
これがパスタの名前の由来です。
パスタの名前の由来からわかるように、パスタはやはり細長い麺に限らず形にこだわらない小麦粉を練って加工した食品なのです。
パスタの歴史について
イタリアではパスタの歴史は大変古く、イタリア半島の都市にある遺跡からは紀元前に使われていたパスタを作る道具が出土しました。
そして古代ローマ時代にも焼くか油で揚げるなどして加熱して食べる、パスタがあったことがわかっています。
茹でて食べられるようになったのはこの後の時代からで、1000年頃からチーズと一緒に食べられるようになりました。
1224年に記録されたベルガモという都市の公正証書には現在と同じような食べ方をしていることが記録されていて、これがこのような食べ方をしたことが記されている最古の書物です。
かなり古い時代から、茹でて味付けをしたパスタがイタリアで食べられていました。
しかしこの時代に食べられていたパスタはどれも打ち立ての生麺のみで、乾燥パスタが庶民の間でも普及したのは16世紀半ばです。
本来の目的は飢餓に備えた保存食でしたが、これをきっかけにあらゆる階級の人達がパスタを日常的に食べられるようになりました。
そして世間一般の人々の食べ物だった細長い紐状のスパゲッティーは、当初はチーズをかけて手づかみで頭上にかざして豪快に食べられていました。
しかしナポリ国王が宮廷で食べる時にもっと品良く食べたいと考えて、先端部分を櫛状に分けて麺をからめやすくしたフォークが好感されたと言われています。
その後1500年代にスペイン風トマトソースがきっかけで、トマトソースをかけたパスタがイタリア中に広まっていきました。
ちなみに日本でパスタが食べられるようになったのは幕末で、1883年にフランス人神父が長崎市で製造したのが始まりと知られています。
そして日本での本格的なパスタの生産が始まったのが、1955年の事でした。
そして日本国内でパスタの普及の後押しをしたのが、日本人が考案した「ナポリタン」の流行です。
ナポリタンは1970年代には、ファミリーレストランのメニューにも加えられるようになりました。
パスタの料理の名前の由来をご紹介!
パスタの名前にはそれぞれ特徴があり、地名や食材が名前の由来になったものや「~風」などがあります。
それらをここで由来別に分けて、紹介します。
人(~風)が由来のパスタの種類
- アラビアータ:唐辛子を使って作るアラビアータは、「arrabiato」という言葉が由来になっています。これは「熱狂的な」や「怒っている」という意味の形容詞です。
- ペスカトーレ:魚介類のパスタの名前で「pescatore(漁師)」が由来の、漁師風パスタです。
- ブッタネスカ:「puttana(娼婦)」が由来の娼婦風パスタです。
地名が由来のパスタの種類
- ジェノベーゼ:ジェノバは都市の名前で、ジェノバ風はバジルをペースト状にして作られました。
- ボロネーゼ:ボロネーゼン名前の由来になったロマーニャ州の州都ボローニャ風パスタは、ミートソースが使われています。
- シチリアーナ:地中海最大の島シチリア島の名前が付いたパスタは、シチリア島名産のトマトを使ったトマトベースのパスタの名前です。
食材が由来のパスタの種類
- ボンゴレ:ボンゴレは「アサリ」を意味しボンゴレビアンコは白ワインを使っていて、ボンゴレロッソはトマトソースを使って作っています。
- トンノ:ト「トンノ」はマグロを意味し、ツナなどを使ったパスタになります。
- バジリコ:「BASIL(バジル)」のイタリア語名は、バジリコです。
- ペペロンチーノ:「ペペンチーノ」は唐辛子を意味し、唐辛子やオリーブオイルをベースにしたパスタになります。
その他のパスタの種類
- カルボナーラ:卵黄と胡椒で味を調えたカルボナーラは炭焼き風とも言われていますが、その由来は定かではありません。
パスタを食べる際にスプーンを使うようになったのはなぜ!?
パスタの専門店やイタリアンレストランに行くと、パスタと一緒にフォークとスプーンを出すお店が日本にはたくさんあります。
子供の頃からパスタを食べる時にスプーンを使っている人は、これが常識だと信じているでしょう。
しかしパスタの本場イタリアでは、パスタを食べる時にスプーンは全く使いません。
もしも使うとしたら小さな子供だけなので、大人が使うととても恥ずかしい思いをします。
ではどうして日本のパスタを出すレストランでスプーンを出すかというと、それはアメリカの影響を受けています。
アメリカではパスタの麺を食べる時に、フォークの先端をスプーンにあててパスタ麺をくるくる巻きます。
そして日本ではスープも一緒に味わう「スープパスタ」が流行ったので、その時にパスタはスプーンとフォークで味わう物という習慣が各地に広がりました。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
若い世代の人も大好きなパスタは、イタリアで考案された小麦の加工品の麺類です。
パスタはイタリア半島ではとても古くから食べられていて、いまでは世界中に広まっています。
これを機会にパスタの名前やその由来を考えながらパスタを味わってみるのも、楽しいかもしれません。