季節は夏盛り。

うだるような蒸し暑さの中で、スーパーや百貨店などではうなぎの蒲焼きがずらりと並んでいるのを見かける方も多いのではないでしょうか。

また、街中を歩いていると、突如行列を成している店も見かけます。

そのお店とは、うなぎ専門店で、ポスターや看板には大きく「土用の丑の日」と書かれています。

その「土用丑の日」にはうなぎを食べるという、日本では当たり前の習慣とされていますが、いったいなぜその日にうなぎを食べるのでしょうか。

今回はそもそも「土用の丑の日」というのはどういった日で、なぜうなぎを食べる習慣ができたのかお話していきたいと思います。

土用の丑の日とはどんな日!?

由来 土用の丑の日 名前

今でこそ土用丑の日といえば「うなぎ」とすぐ答えが出てきますが、幼いころなどに「土用」が「土曜日」となり、「丑」は「牛」となり、「土曜日には牛肉を食べるもの」と勘違いをされた方はいないでしょうか。

この「土用」と「丑」は日本人としては関係が深い「暦」を表しており、以外にもその内容を知らない人が多いものです。

そもそも夏の土用の時期となると、夏バテにより食欲が低下し、また夜の寝苦しさも併せて体調を崩される人が多いです。

特に昔の人は、常に「精の付く食べもの」を好んで食べられてきたので、「土用蜆」から、「土用餅」、そして「土用卵」といった言葉も今でも残されてはおります。

そして、奈良時代の頃には「うなぎ」も「精の付く食べ物」として有名な食材であったため「土用うなぎ」という風習がついたとされております。

また、この「丑」と「うなぎ」の「う」はつながりが一緒という理由と、「う」がつく食べ物を食べると病気になることがないとも言われており、より親しみをもって食べられてきたと言われております。

スポンサードリンク

土用の丑の日の名前の意味や由来とは!?

うなぎを食べる習慣がついた「土用の丑の日」ですが、その意味や由来についてご紹介していきたいと思います。

土用丑の日は一年に一回しかない年もありますが、今年の2018年では二回あり、通称「二の丑」と呼ばれていました。

ちなみに今年は7月20日と8月1日が「土用の丑の日」と言われております。

この「土用の丑の日」の意味としては、「土用の期間」と「丑の日」と分けられた意味があり、「暦」や「十二支」との関りから「土用の丑の日」と名付けられております。

では、それぞれ「土用」と「丑の日」の意味をお話していきたいと思います。

土用の意味は!?

「土用」の意味としては、これは「暦」を表しております。

季節ごとに「立春」、「立夏」、「立秋」、そして「立冬」がありますが、「土用」は直前の18日間の事を表しております。

つまり、「立秋」が8月8日頃なので、その前の18日間を「夏の土用」として指しております。

さらにこの「土用」というのは「五行」、つまりは「木行、火行、土行、金行、水行」に当てはめられております。

もう少し詳しくお話すると「木行」は「春」、「火行」は「夏」、「金行」は「秋」、「水行」は「冬」の季節を表し、「土行」は「季節ごとの変わり目」とされております。

丑の日の意味は!?

「丑」というと干支を表しておりますが、干支が毎年あるように、方角や日付にも実は十二支が割り当てられています。

ですので、十二支と同じように12日の周期ごと、丑の日が回ってくるということです。

つまり、立秋前である「土用」期間中は、12周期ごとに回ってきた「丑の日」が「土用の丑の日」となっております。

ちなみに、この夏の「土用の丑の日」は平均として年に1.5回ほどくるので、1年に2回「土用の丑の日」がくる年は、2年に1回くらいのペースできております。

スポンサードリンク

土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのはなぜ?由来は?

由来 土用の丑の日 食べる

普段よく行くスーパーなどのお店に行くと、「土用丑の日」という旗をよく見かけるのではないでしょうか。

今でこそ、この「土用丑の日」となると、うなぎが広告の品として多く販売されていますが、ではなぜこの日にうなぎが食べられるようになったのかご存知でしょうか。

「土用の丑の日」の由来については、いくつかの諸説が飛び交っておりますが、一番有名な由来をお話していきたいと思います。

まずは由来の前に、うなぎの旬がいつなのかはご存知でしょうか。

近年では輸入ものも多く仕入れられてはいますが、天然物のうなぎの旬は、実は気温が下がり始める初冬と言われております。

それは水温が次第に下がり始め、えさをよく食べることにより太り、脂も十分にのっているからです。

また、産卵の準備にも入り始めていきます。

では、うなぎが食べられるようになった由来についてですが、旬が初冬ということで夏の季節には全く売れず、困ったうなぎ屋が1700年代の江戸時代の頃に、蘭学者である平賀源内に相談をし、ある看板を立てることが始まりとされております。

その看板には「本日は丑の日 うなぎの日。食べれば夏負けすることはなし」と書かれたものでした。

この看板のおかげでうなぎ屋は大繁盛をし、他のお店でもマネをしていったと言われております。

もともとこの時代では、丑の日には頭文字に「う」とつく食べ物を食べると体によいと言われており、こういったこともあり、うなぎが人々に受け入れ始めたと言われております。

また他にも「う」が付く食べ物としては食べられてきたのが、うどんや、うり、梅干しなどでした。

これらはいずれも栄養価が高いわりには、食欲が落ちている時でも食べやすいものとして知られ、「食べ物を食べて元気に過ごそう」という気持ちが強い時代でもあり、そういった風習から今もなお続いていると言われております。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今では夏に食べるのが風習となっているうなぎですが、本来のうなぎの旬が冬というのは驚きですよね。

当時は夏に全く売れなかったうなぎの販売が、平賀源内の案により、今は夏に食べることを根付かせたという説にも驚きではないでしょうか。

ですが、夏以外でも「土用丑の日」はあります。

それにより、近年では夏以外の「土用の丑の日」にもうなぎを食べようとしている風習をつくろうと、スーパーやコンビニでも見かけることが多くなってきました。

とはいってもそう何度も食べる機会があると、特別感がなくなるというものではないでしょうか。

年に2回あるとされる年でも、一回目は大いに売れていきますが、二回目ともなると熱が冷めて売れ行きが伸びていないのも現状です。

特別なことはめったにないことなので特別というものです。

今までうなぎを食べる習慣がなかった方は、ぜひ今年から取り入れ、暑い夏も元気に乗り切り楽しい夏を過ごしてみてはいかがでしょうか。

スポンサードリンク