焼き鳥はお好きですか?
お酒のお供にも、食卓の一品にも、子供からお年寄りまで愛されている焼き鳥。
串に通っていて、食べるのもお手軽です。
街を歩けば、焼き鳥屋さんもよく見かけます。
どちらかと言えば、お店で買ったりお店で食べる方が主流ではないでしょうか。
縁日などの屋台で食べるのも格別です。
そして最近では、コンビニエンスストアにも焼き鳥があり、以前よりももっと気軽に食べられるようにもなりました。
種類も豊富で、色んな部位の焼き鳥を楽しむことができます。
そんな焼き鳥の歴史や由来を、紐解いてみたいと思います。
また、ねぎまなどの種類にまつわる由来もご紹介します。
目次
焼き鳥の由来!いつ誕生したの!?
焼き鳥の由来には、鳥の種類が深く関係しています。
もともと焼き鳥は、ニワトリではなく、野鳥を捕獲して使用していたと伝えられています。
かつて、ニワトリは家畜だったため、食べることは禁止されていたそうです。
そこで、人々は狩りをして、捕獲した鳥を串に通して、焼いて食していたといいます。
では一体いつ頃から、そのようなものが食べられていたのかというと、なんと平安時代というのです。
焼き鳥の歴史の深さには、驚愕させられます。
捕獲した野鳥ということで、種類はスズメやウズラ、シギやハトやキジなどです。
中でも、キジはご馳走とされ、上流階級の人でなければ食べられなかったのだとか。
こういった焼き鳥の調理方法は、1682年に「合類日用料理妙」という料理本が発行されていて、そこに掲載されています。
ということで、江戸時代に焼き鳥があったことは明確な訳です。
そして、幕末にいよいよ肉食が解禁され、ようやくニワトリを使用できるようになりました。
どのように調理したかというと、その頃主流だったのは「鳥鍋」だといいます。
歴史上にも名高い、あの坂本龍馬の好物としても注目される「鳥鍋」は、一般庶民にはまだまだ手の届かない高級料理だったようです。
そんな中、もっと手軽に食べられるようにと、焼き鳥の屋台が誕生しました。
屋台での焼き鳥は、鳥鍋では使用されない部位を串にさし焼いていたようです。
それが、庶民にはとても人気となり、だんだんと広まっていったのです。
そして現在では、多くの種類が生まれ、さらに焼き鳥の文化は広がりつつあります。
また、補足ですが、「焼き鳥」と「やきとり」って同じように見えて、実は意味が異なることはご存じでしょうか。
「焼き鳥」は、鶏肉に前もって味を付け、炙って焼くものを指します。
そして、「やきとり」は、炭火ではなく鉄板を使用して焼いたもので、地域によっては豚肉や牛肉などを焼く場合も多いのだそうです。
焼き鳥の「ねぎま」の「ま」はまぐろの意味!?
焼き鳥のメニューの中でも、常に人気の高い「ねぎま」ですが、そもそもどうして「ねぎま」というのでしょうか。
「ねぎま」とは、焼き鳥の鶏肉と鶏肉の間に「ねぎ」が挟まったものをいいます。
そのまま素直にイメージすれば、「ねぎ」と「間」なのでは?と思ってしまいます。
ところが、「ねぎま」の由来は、この理論を覆すものでした。
なんと、「ねぎま」の「ま」とは、「まぐろ」の「ま」だというのです。
このお話は、江戸時代にまでさかのぼります。
先ほどお話したように、江戸時代といえば、ニワトリは家畜だったので、焼き鳥には使用されていません。
そんな時代に、「ねぎま」という料理が存在したといいます。
その料理とは、ねぎとまぐろのトロを煮込む鍋だったようです。
なぜ、まぐろのトロが使用されたのかというと、この時代に多く食されたまぐろ料理として、「漬けまぐろ」が主流でした。
漬けまぐろに適さないトロは、使い道がなかったそうです。
それならば、とまぐろのトロをねぎと一緒に煮込んで、「ねぎま」と呼ぶようになったといいます。
また一説には、煮込む際に、ねぎとまぐろを今の焼き鳥のねぎまのように、串に刺していたとも言われています。
それがどのようなタイミングで、現在の「ねぎま」となったのかは定かではありませんが、この伝えが、「ねぎま」の由来であることは定説のようです。
現在では、まぐろのトロといえば、高級品のレッテルが貼られていますが、昔は逆だったことにも驚かされます。
さらに、このような由来をもつ「ねぎま」は、密かに焼き鳥業界において、店の良し悪しを探る一品ともいわれているようです。
その理由は、焼き鳥屋さんにこの「ねぎま」が、あるのかないのかがカギなのだとか。
なぜかというと、冷凍の技術が拡大している現在、唯一野菜を使用する「ねぎま」があれば、冷凍ではなく、その店が独自にきちんと仕込みをして、提供している可能性が高いことを、表しているのだといいます。
あくまで情報ですが、参考にしてみてはいかがでしょうか。
その他の焼き鳥の部位の名前の由来とは!?
では最後に、「ねぎま」以外の部位についても、いくつかご紹介していきましょう。
あなたのお好みのメニューも出てくるでしょうか。
ササミ
ササミの「ササ」とは「笹の葉」に由来していて、形が似ていたためにこの名がついたと言います。
部位としては、胸肉の内側です。
マツバ
こちらも形が「松葉」に似ていることが語源です。
ササミの付け根にあたります。
ヤゲン
薬を粉状にする道具「薬研」に似た形をしているので名が付きました。
軟骨です。
セセリ
首回りの肉で、骨から身をほじることを「身をせせる」と言ったことが由来です。
ハツ
ドイツ語で心臓を「ハルツ」ということから「ハツ」と呼ばれています。
ぼんじり
部位としては尻尾を指します。
名前の由来は、「ぼんぼり」のような形からきています。
弁慶
その名の通り、「弁慶の泣き所」が語源となっています。
すねの肉です。
ふりそで
胸からは根の間の部位で、シンプルに着物の振袖が由来のようです。
まだまだ部位はありますが、焼き鳥の名前の多くは、「形」を重視して名付けられたものがこんなにも沢山あることに、お気づき頂けたのではないでしょうか。
まとめ
さて、ここまでの「焼き鳥」についてのお話はいかがでしたか。
焼き鳥は、今や誰もが気軽に好んで食べられるものですが、昔はニワトリではなかったことや、ねぎまは「まぐろ」で、今では高級なトロが余りだったことなど、今に伝わる「焼き鳥」の歴史の中には、驚かされる秘話が詰まっていたように思います。
この知識をもって、焼き鳥を食べに行ってみませんか。