私たち日本人にとって、お米は毎日ほとんどの人が口にする主食です。

最近では、パンやパスタを食べる人も多くなってきていますが、やはりそれでも一部であって、お米を毎日食べる人の方が遥かに多いと思われます。

お米って、どうやってつくられているのかは、ご存じでしょうか。

まずは苗を育て、広大な土地を耕し田んぼを作り、田植えをするところから始まります。

稲が育ち、稲刈りをするまで、丹精込めてお世話をします。

稲刈りの後にも、まだ作業は続きます。

籾摺り作業をして、ようやく玄米が出来るのです。

苗を作った4月から、およそ7カ月かけてようやく出来上がるのだといいます。

お米の欠かせない私たちにとっては、本当にありがたい話です。

そんなお米について、もっと詳しくなってみませんか。

語源や歴史、また沢山ある品種の由来もふまえてお話していきたいと思います。

「お米」の語源とは!?

由来 米 名前

私たちが日ごろから当たり前のように口にしている「お米」ですが、語源や由来について考えたことがあるでしょうか。

そもそもなぜ、「お米」というのでしょうか。

「米」の語源は、「小実(こみ)」や「小目(こめ)」と言われており、「小さな実」を表すのだそうです。

そして、呼び方についても、もともとは「こめ」ではなく、「よね」と呼んだといいます。

「米」が「よね」だとしたら、「こめ」とは何を指すのでしょうか。

「こめ」の語源としては、「殻(から)」と言われており、そこから連想される動作が語源のようです。

「こめる」や「つめる」または「入れる」といった動作です。

この「こめる」が「殻」と重ねられ、「こめ」と変化していったと言います。

お米の語源は、実ではなく殻を意味していて、「こめる」の「こめ」であったことには驚かされます。

では、お米の漢字についての由来はあるのでしょうか。

お米の漢字の由来とは!?

日本で私たちが使う漢字の多くは、遥か昔、中国から伝わってきました。

そして、漢字はもともと、そのものの姿を変化させて作られたともいわれています。

昔にさかのぼると、漢字で「禾(のぎ)」と書き、稲を表していました。

稲穂の頭が垂れる、というイメージから作られた漢字です。

この「禾」は、単独ではあまり見ることがありませんが、少し角度を変えてみると、「穂」「稲」「秋」など「のぎへん」を使用する漢字が沢山思い浮かぶと思います。

「禾」は穂先に毛のあるものを示し、それに対して「米」という漢字では、稲穂の実った状態を表します。

「米」の漢字の形を思い浮かべてみて下さい。

横線を境に、上に3つ、下に3つ、と実が実った姿のようです。

この形を由来として、米作りに懸ける人々の思いがこもった漢字、という説もあります。

さらに「米」という漢字をバラバラにすれば、「八十八」となり、これは米作りに懸けた手の数を表し、多くの手をかけた人々の思いを象徴した、ともと考えられています。

漢字を紐解くことで、当たり前に食べていたお米に、感謝したくもなりませんか。

作って頂いた農家のみなさんの苦労が、ここに詰まっているのです。

スポンサードリンク

日本におけるお米の歴史について

今、私たちが毎日食べているお米の歴史をさかのぼると、中国の福建米(ふっけんまい)にたどり着くといわれています。

その頃には肥料はなく、放置された栽培方法でした。

そのため、お米の色形は今と違い、長くて赤い「赤長米」だったそうです。

経路は不明ですが、東シナ海を超え、沖縄・九州地方に伝来したのが、今からおよそ3000年前の縄文時代のことです。

そして、弥生時代には、水田での稲作が行われるようになりました。

それまでは、狩りや木の実を収穫しての生活だったことが一変し、米作りを行うことで、米を通じて人々に富みと権力が生れだすのです。

米作りは、現在にまでつながる日本の社会の基盤といえるでしょう。

お米はその後年貢として、今でいう税金の役目を担うほど、貴重なものとなっていきました。

貧富の差が誕生した大元ともいえます。

さらには、秋に岸和田で行われる、有名な「だんじり祭り」を筆頭に、米作りを祈願するお祭りは全国でも多くあり、現在に至るまで引き継がれています。

そして、日本で米作りがここまで定着している理由として、日本の気候が大きく影響しているともいえます。

四季のある日本では、梅雨の時期には雨が多く降り、夏には雨が少なく暑い日が続きます。

このような気候が米作りには最適だったため、日本の米作りがここまで発達してきたともいえるでしょう。

しかし、近年では農家の減少から、日本の伝統的な米作りにも、危機が訪れ始めている傾向にあることも事実です。

スポンサードリンク

色々なお米の品種の名前の由来をご紹介!

由来 米 品種

では最後に、日本で作られているお米には様々な種類がありますが、その名前にまつわる由来についても、いくつかご紹介したいと思います。

コシヒカリ(越光)

かつて北陸地方にあった地域の呼び名、「越国(こしのくに)」が由来です。

越国に光輝く、という意味が込められています。

ひとめぼれ

まさに「ひとめぼれ」というだけあり、光沢があり色艶が良く、まるで一目ぼれしてしまうような美しさをもつことから、この名がついたといいます。

あきたこまち

秋田県雄勝町にある、小野の里が誕生の地とされる、絶世の美女「小野小町」の名にあやかり、おいしいお米になあれ!と願いが込められた名前です。

ヒノヒカリ

西日本や九州を「陽(ヒ)」と表し、全てにおいてバランスの良いこのお米は、炊き上がりに光り輝くような色艶をみせることが、この名の由来となっています。

ゆめぴりか 

北海道の「夢」である日本一のおいしさの追究と、「ピリカ」というアイヌ語の「美しい」をあわせて名付けられたお米です。

現在は、楽天など数々のお米ランキングで1位となっており、まさに「夢」の詰まったお米となりつつあります。

まとめ

お米についてのお話、お楽しみ頂けたでしょうか。

私たちの主食のお米には、こんなにも深い歴史があり、今も変わらず日本人の生活を成り立たせてくれています。

毎日食卓に並ぶ熱々のごはん、このような由来や歴史を知ることで、さらに格別なおいしさと感じるのではないでしょうか。

3000年も前から引き継がれる米作りにも、感謝の気持ちを忘れずにいたいものです。

また、日本の基盤を作った米作りの技術は、次の時代にも、また次の次の時代にも、ずっと大切に引き継がれていってもらいたいものです。

スポンサードリンク