クリスマスは、子どもたちにとっては一年の中でも楽しみなイベントですよね。
年末の街もクリスマスモード一色になり、イルミネーションや大きなクリスマスツリーが夜を彩り、店ではサンタクロースの扮装をした店員さんの姿を目にしたり、大人もなんだか楽しい気持ちになります。
そんなサンタさんの扮装は当たり前のように赤い色をしていますが、これには何か起源のようなものがあるのでしょうか?
ここでは、クリスマスに関する話題で、サンタクロースの起源や名前の由来、なぜ衣装が赤いのか、そしてソリをひくトナカイについても色々ご紹介します。
サンタクロースの名前の由来や起源について
サンタクロースは、クリスマスイブの夜に良い子のもとへプレゼントを配ってくれる人物というのが一般的な認識ですよね?
クリスマスとサンタクロースのつながりには、キリスト教が深く関わっているようです。
12月25日のクリスマスは、キリスト教の年中行事の一つでイエス・キリストの誕生を祝う日とされています。
キリストが生まれたのは西暦1年ですが、実際の誕生日は不明です。
教会では、救世主とされるキリストの降誕を記念する日として、教会でミサを行う行事を4世紀頃から行っているということですが、詳しいことはわかっていません。
サンタクロースの存在については、当時のキリスト教の司教である聖ニコラウスという人物が関係しているようです。
彼は、敬虔なキリスト教徒である両親が築き上げた莫大な財産を持っており、ローマ帝国の小アジアといわれる『ミュラ』の司教となり、その財産を貧しい人々に分け与えたといわれます。
彼が亡くなりオランダやベルギーでは、その偉業をたたえるため、彼の亡くなった日にあたる12月6日に子どもたちにプレゼントを贈るようになり、それが北米へ移住したオランダ人によってアメリカにも広まったということです。
これがキリスト教の『三賢者が贈り物を持ち、キリストの生まれるベツレヘムを訪れた』という出来事と結びつき、キリストの誕生を祝う日に行うようになったということです。
サンタクロースの名前は、この聖ニコラウスのオランダなまりだといわれます。
クリスマスプレゼントを靴下に入れる風習についてもエピソードがあり、貧しい靴屋が自分の3人の娘を人買いに売り渡そうとした時、聖ニコラウスが金貨を窓から投げ入れたそうです。
そのおかげで靴屋の娘は助かったのですが、投げ入れた金貨が偶然にも暖炉の前に干していた靴下の中に入ったということが由来になっているということです。
サンタクロースが赤い服を着ているのはなぜ?由来は?
ところで、サンタクロースはなぜ赤い服を着ているのでしょうか?
これには、サンタクロースの由来といわれる聖ニコラウスと関係がありそうです。
聖ニコラウスは司教という立場でしたが、司教が何かの儀式を行う際には真っ赤な服装をします。
この赤色には、たとえ血を流そうとも命をかけて人に尽くすといった意味がこめられているといわれるそうです。
サンタクロースの赤い服装には意外なエピソードがあります。
実は、私たちがよく知っているサンタさんの赤い服や白いひげをたくわえた姿を世界的に広めたのは、なんとアメリカの『コカ・コーラ社』だったそうです。
同社が1931年に行った冬のキャンペーンで、真っ赤な衣装を着たサンタクロースを登場させたことで、世界中にそのイメージが一気に広まったといわれます。
これは、画家であるハッドン・サンドブロムが描いたもので、ふくよかでふさふさの白いひげをたくわえ、真っ赤な衣装の陽気なサンタクロースのイメージがここで確定したということなのだそうです。
ところで、コカ・コーラ社は、なぜサンタクロースをキャンペーンに使ったのでしょうか?
これは、それまで開拓できなかった女性や子どもの市場を広げるという目的があったからなのだそうです。
当時コカ・コーラには、麻薬や多量のカフェインやアルコールが含まれているというネガティブなイメージがついていました。
そのイメージを払拭するには、子どもたちのためなら世界中どこへでも現れるサンタクロースの存在が必要だったのですね。
これによって、国によってばらつきのあったサンタクロースのイメージが統一したといわれます。
トナカイには実は名前がある!?由来は?
サンタクロースは、フィンランドのラップランド地方の『耳山』というところでトナカイとともに暮らしているそうです。
昔は北極に住んでいるといわれていましたが、ある時こどもに『トナカイは草がない北極で何を食べているの』と聞かれ、その時に『フィンランドのラップランドにある耳山に住んでいるので草がある』という内容の返答をしたという話があるそうです。
サンタクロースが乗っている空飛ぶそりをひいているのは、8頭のトナカイですが、それぞれに名前がついていますので、意味も含めてご紹介します。
- ダッシャー(Dasher):追突者
- ダンサー(Dancer):踊り手
- プランサー(Prancer):踊り跳ねる者
- ヴィクセン(Vixen)口やかましい
- ダンナー(Donner/Donder):雷(ドイツ語)
- ブリッツェン(Blitzen):稲光(ドイツ語)
- キューピッド(Cupid):恋愛の神
- コメット(Comet):彗星
公式に認められているのは以上の8頭なのですが、実は9頭目のトナカイが存在します。
この新入りの名前はルドルフ(Rudolph)といいますが、このトナカイは『赤鼻のトナカイ(Rudolph the Red-Nosed Reindeer )』の歌に登場しますので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
まとめ
クリスマスの子供たちのお楽しみ、サンタクロースの由来についてご紹介しました。
サンタクロースの原点は、キリスト教の司教である聖ニコラウスという人物で、その司教の服装の色が赤色であったからなのですね。
町の貧しい人々に自らの財産を分け与えて助けてきた偉業をたたえるため、彼の亡くなった日とされる12月6日に子どもたちに贈り物をするようになったのでした。
これがいつしかイエス・キリストの降誕を祝うキリスト教の行事と一緒になり、現在のクリスマスにつながったということなのですね。
サンタクロースについての知識や世界観を知っておくと、単なるお祭り気分だけでなく、クリスマスの過ごし方や捉え方が深まりそうですよね。
次回のクリスマスは、そんなサンタクロースの存在を感じながら過ごしてみてはいかがでしょうか。