普段何気なく使っている「ありがとう」という感謝の言葉ですが、実はいろいろな言葉ランキングでも一位になるほど強いパワーを秘めています。
例えば、子供が親に言われて嬉しい言葉だったり、自己肯定を育む言葉から、彼氏に言われて嬉しくなる言葉だったりと様々です。
実際、人から「ありがとう」と感謝をされると嬉しい気持ちになりますし、逆に「ありがとう」というと幸せな気持ちにもなります。
「ありがとう」というたった五文字の言葉には、それほど強い力が込められています。
そんなみんな大好きな言葉でもある「ありがとう」ですが、その由来や意味をご存知でしょうか。
当たり前のように使われているので、意外と知らない方も多い「ありがとう」の言葉の由来について、手話の由来などについても併せてお話していきたいと思います。
目次
「ありがとう」の言葉の由来とは!?どんな意味があるの?
「ありがとう」って素敵な言葉ですよね。
日本語でいう「ありがとう」の言葉は、仏教に由来していると言われております。
そもそも「ありがとう」と言葉にすると分かりづらいですが、漢字で書くと「有り難う」となります。
つまりは「有る」ことが「難しい」ということで、当たり前のことがめったにないという事を表しています。
当然、人間に生まれてくるということは当たり前の事ではなく、大変珍しいことで喜ばしいことである、ということがお釈迦様の教えとされています。
そしてこのことが「ありがとう」の語源となっているというわけです。
ポルトガル語の「ありがとう」が語源の説がある!?
私たちが使う「ありがとう」ですが、実はその語源はポルトガル語から日本に伝わったのではないかと言われております。
実際ポルトガル語では「obrigado(オブリガード)」ですが、そこから「あぶりがと」、そして「ありがと」、「ありがとう」という説があります。
ですが、ポルトガル語が日本に伝わったとされるのは16世紀と言われているので、それ以前から「ありがとう」はあったので、ポルトガル語が語源になるのはあり得ないと言われております。
とはいっても、確かに俗説である可能性は極めて高いと言われてはおりますが、ポルトガルの宣教師により聞きかじり、「オブリガード」から「ありがとう」というオシャレに見立てた言葉をマネしても良いのではないでしょうか。
間違っていたことでも頭から切り離しているより、素敵な言葉として感じている方がロマンがあり、よりで楽しい気分になれるのではないでしょうか。
色々な国の「ありがとう」の由来は!?
世界各国でみる「ありがとう」の由来はどのようになっているのでしょうか。
まず一つ目は英語から見ていきましょう。
英語では「Thank you(サンキュー)」と言いますが、哲学者であるハイデッガーによりその語源が伝えられていると言われております。
つまり「thank(サンク)」は、「考える」や「思う」というのに通じている「think(シンク)」であり、「you(ユー)」は「あなた」。
よって「Thank you(サンキュー)」は「あなたからの恩を忘れない、あなたを想っています」という事と言われております。
二つ目はドイツ語です。
ドイツ語では「Danke(ダンケ)」と言われ、英語と同じゲルマン語派です。
語源も英語と似た意味を表し、「denken(ダンケン)」が「考える」ということにより、「ありがとう」の語源を表していると言われております。
三つ目はフランス語です。
フランス語では「merci(メルシー)」と言われ、英語でいうと「慈悲」という意味を表しています。
ラテン語では「merces,edis(メルセデス)」と言い、「恩恵」の意味でもあります。
つまりは「ご恩を受けました」、ということで言われております。
四つ目はイタリア語です。
イタリア語では「grazie(グラーツィエ)」と言われ、こちらもフランス語と同じ「恩恵」の意味を表しています。
英語での恩恵で「grace(グレイス)」の語源でもあり、有名な歌として誰もが知る「アメイジンググレイス」も、その「恩恵」を意味しております。
五つ目はスペイン語です。
スペイン語では「gracias(グラシアス)」と言われ、こちらもイタリアと同じ語源です。
六つ目は韓国語です。
韓国では「カムサ」と言われ、漢字語では「感謝」という字をハングル書きしたものです。
漢字語は中国大陸から伝わったと言われておりますが、ハングル文字よりももっと昔より使われていたと言われております。
最後は中国語です。
中国語では「謝謝(シエシエ)」と言われており、これが「ありがとう」を表しています。
ですが、字の通り「謝」は「謝る」、つまり「すみません」と言った意味も表し、何か助けてくれたあとであれば「ありがとう」であり、その前であれば「すみません」といった意味にもあると言われております。
「謝」は文字通り「言」と「射」の二つの漢字から成り立っています。
「言う」は「言葉」として、「射る」は弓から矢が放たれた緩みからきているそうです。
つまりは、言葉を紡ぐことにより、心の状態が緩みを得たということで、感謝の気持ちと謝る気持ちの両方を持ち合わせていると言われております。
「ありがとう」の手話の由来とは!?
言葉に語源があるように、手話にも語源はあります。
それはろう者が日々生きてきた中で、ろう者同士がコミュニケーションをしていくうえで、自然に生まれ浸透していったと言われています。
その中で「ありがとう」の手話は、左手の手のひらを下にし、正面に構え、右手は手刀のように左手の手の甲を軽くはじきます。
この手話の語源は、お相撲さんが賞金を受取る仕草から、感謝の気持ちを込められているということが由来と言われております。
他にも「感謝する」、「お礼する」と言った意味も含まれております。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「ありがとう」の言葉は、それは強く心に響き渡るものですよね。
人に対して「ありがとう」と感謝の言葉を述べるのは、子供のうちはそれは多く聞かれるものですが、大人になるにつれ、それをするのが当然のこと。
つまりは「当たり前」になり、ついつい感謝の言葉を言わなくなるものではないでしょうか。
やってもらって当たり前、やっていくことが当たり前、実は年齢を重ねれば重ねるほど、そう感じていきます。
日々今の生活があるのは決して当たり前ではありません。
朝起きて、いつも通り床につけることが、幸せで生かされているのではないでしょうか。
今日も無事に一日が終えられることを、「ありがとう」と感謝して床についてみてはいかがでしょうか。