秋冬に人気の洋菓子、モンブラン。
名前の由来は海外の山で、栗とは全く無関係だったと聞くとびっくりしませんか?
今回はモンブランの由来や歴史について詳しくご紹介します。
知っているとよりモンブランが美味しくなるかもしれません。
目次
モンブランってどんなケーキ!?
モンブランは一言で表すと「山の形をしたカップケーキ」です。
マフィンやタルトなどの土台にホイップクリームを山の形に乗せ、更にその上に細く麺状に絞った色付きのクリームをたっぷりとかけたものです。
日本では栗のクリームを使用したものが多く、秋のケーキというイメージがあります。
クリームの色は黄色や茶色がメイン。
栗の他にかぼちゃやサツマイモを使った鮮やかな黄色のものやイチゴのピンク、抹茶の緑などの変わり種もあります。
ケーキのてっぺんにはマロングラッセなど色付きのクリームに関わりのあるものを乗せたものが多くみられます。
ケーキのモンブランの名前の由来とは!?
ケーキのモンブランの由来
「モンブラン」という名前はアルプス山脈で一番高い山である「モンブラン」からつけられました。
フランス語で「白い山」という意味を持ち、ケーキの上に雪を模した白い粉砂糖をふりかけて仕上げるのが主流です。
イタリアでも白い山という意味の「モンテ・ビアンコ」という名前で呼ばれる事もあります。
アルプス山脈のモンブラン
そもそもアルプス山脈とはヨーロッパ中央部と東西に横切る大きな山脈のことです。
山脈最高峰であるモンブランの標高は4810.9mです。
日本で一番高い山である富士山よりも約1000mほど高い山です。
フランスとイタリアの国境の役割をしています。
ケーキのモンブランの原型はイタリアのピエモンテ州で生まれたと言われています。
原型は栗は全く使用されておらず、ただの山の形のようなカップケーキにクリームを塗り、粉砂糖で白くしたものだったそうです。
ヨーロッパ最高峰の山を見ながら山の形をしたケーキを食べるなんて贅沢な気持ちになりますね。
日本でのモンブランの歴史とは!?
栗を使ったモンブランは1907年ごろパリの「アンジェリーナ」というカフェで生まれてヨーロッパ中に広がっていきました。
そこでは崩れて売り物にならなくなったマロングラッセを潰して色付きのクリームにしていたそうです。
日本でのモンブランの歴史
1933年、迫田千万億さんという日本人がフランスを旅行した際にモンブランと出合います。
彼はモンブランの味に感動し、ぜひ日本にも広めたいとレシピをいただいて帰りました。
帰国後、より日本人の口に合うように改良を始めます。
フランスのモンブランの土台はメレンゲでしたが、それをカステラに変更。
マロングラッセを使った茶色のクリームは栗の甘露煮を使った黄色いものに。
こうしてアレンジされたものが現在の黄色いモンブランです。
栗きんとんのような色のクリームは日本人に親しみやすく、瞬く間に人気商品となりました。
迫田千万億さんが黄色のモンブランを売り出したお店は今も東京にあり、愛されつづけております。
その店舗名はなんと「モンブラン」
モンブラン(TOKYO JIYUGAOKA MONT-BLANC)
住所:東京都目黒区自由が丘1-29-3
電話番号:03-3723-1181
秋~冬は様々な種類の栗を使ったモンブランが並び、食べ比べを楽しむことができます。
元祖のモンブランも来日
マロングラッセを使用した茶色のクリームのモンブランは少し遅れて日本にやってきました。
1984年にモンブランの生みの親であるパリの「アンジェリーナ」が日本にも出店したことにより少しずつ知名度を上げていきました。
その際日本では黄色のモンブランが主流だというのを知ってアンジェリーナのパティシェ達はびっくりしたという話もあります。
サロン・ド・テ・アンジェリーナ マロニエゲート銀座店
住所:東京都中央区銀座3-2-1 マロニエゲート銀座2 2F
電話番号03-3567-7871
モンブランに使用しているマロンペーストはパリから直輸入されたもので、本場の味を楽しむことができます。
栗じゃなくてもモンブランと言う!?
モンブラン=栗のケーキという印象が強いですが、栗を全く使用していなくても「モンブラン」と言います。
大きな解釈で言えば山のような形をしていればモンブランと名乗ることができます。
現在、日本国内にはかなりの数の洋菓子店があります。
他社との差別化をはかる為にモンブランンのクリームや見た目に様々なアレンジが施されるようになりました。
イチゴや抹茶、生チョコなどのクリームを使用したモンブランや、麺状のクリームではなくつるんとしたものや棒状にしたメレンゲが沢山乗っているものなどがあります。
なぜ栗が使われるようになったの?
パリで生まれたモンブラン。
長時間シロップに浸けられて崩れていたり、売り物にならないマロングラッセの欠片。
モンブランはそれらをを潰してケーキに乗せたことから始まりました。
クリームの色は茶色です。
モンブランを日本に広めた迫田千万億さんは、売り出す際により日本人好みの味や見た目にしようと、マロングラッセの代わりに栗の甘露煮を利用しました。
そのため日本生まれのモンブランは鮮やかな黄色の色をしています。
マロングラッセと栗の甘露煮の違いは栗の渋皮の有無です。
渋皮のあるマロングラッセは茶色、渋皮の無い栗の甘露煮は黄色と色の違いがでてきますが基本的な調理法は一緒なので味は似ています。
まとめ
<モンブランの由来>
アルプス山脈で一番高い山である「モンブラン」から名前がつけられました。
山の形に似たケーキのことを指すので、栗を使用していなくても「モンブラン」を名乗る事ができます。
<歴史>
原型はイタリアのピエモンテ州のお菓子。
1907年ごろパリの「アンジェリーナ」というお店でマロングラッセのペーストを山の形をしたケーキに乗せたモンブランが誕生。
ヨーロッパ全域に広まる。
1933年、迫田千万億さんがフランスからレシピを持ち帰り、日本人向けにアレンジをして売り出します。
黄色いモンブランの誕生。
1984年、アンジェリーナが日本に出店。
茶色のモンブランが日本にも広まります。
<なぜ栗が使われるのか>
売り物にならない崩れたマロングラッセの欠片をどうにかして利用ようとしたことから栗(マロングラッセ)のペーストが使われるようになりました。
ヨーロッパは広いので国によってモンブランの見た目が違います。
麺状のクリームはフランス式、周りに平べったく塗るのはイタリア式なのだそうです。
迫田千万億さんはフランスでモンブランに出会ったので、日本では麺状のクリームが主流となりました。