12月25日(日本では前日の12月24日の方を重視しますが)はクリスマスです。
敬虔なキリスト教徒の少ない日本にも、クリスマスの精神はしっかりと伝わっています。
数多くのイベントが行われ、恋人達や家族など大切な人と特別な時間を過ごす習慣が根付いています。
しかし、同じキリスト教の祭りであっても、イースターはどうでしょうか?
「なんだかよくわからないけれど、海外から来た春を楽しむイベントらしい」というのが、平均的日本人のイースターについての認識でしょう。
ここでは、イースターとはどんな日なのかについて調べ、その意味合いや楽しみ方を、まとめてみることにします。
目次
2019年のイースター(復活祭)の日にちはいつなの!?
2019年のイースター(復活祭)は4月21日の日曜日です。
この日付はカトリックやプロテスタント諸派の計算にもとづく日付です。
(古いこよみ(ユリウス暦)を使用している東方教会(ギリシャ正教)では、4月28日の日曜日が2019年の復活祭になることも、頭のどこかに入れておいてください。)
以下の説明はすべて、カトリックやプロテスタント諸派が使っているグレゴリオ暦(現在使われている普通のカレンダー)に従って行います。
日にちの決め方とは!?
イースター(復活祭)はクリスマスと違って、毎年日付が変わる移動祝日です。
イースターの日付は「春分の日の後の最初の満月から数えて最初の日曜日」と定義されています。
たとえば2019年を例にとると、3月21日(木)が昼と夜の長さが等しい春分の日、秋分の日以降に訪れる最初の満月は4月19日(金)、そのため、イースターはその週の日曜日である4月21日と決まるのです。
イースターは年によって、最大1か月ほどのずれが生じます。
一番早い時期なら3月22日、一番遅い日なら4月25日になる可能性があります。
イースターって何をする日なの!?意味や由来とは?
イースター(復活祭)は金曜日に十字架にかかって亡くなったイエス・キリストが、3日間たって復活を遂げたことをお祝いする、キリスト教最大の祝祭日です。
キリスト教が誕生してから信者がクリスマスを祝うようになるまでには、それなりの年月が必要だったと考えられます。
しかしイエス・キリストの復活は、キリスト教の最も大切な教義なので、キリスト教の歴史の最も初期の頃から、信者は常に何かの形で復活祭を祝って来たのではないでしょうか。
ただし、復活祭をイースターと呼ぶようになったのは、ずいぶん後になってからのことです。
キリスト教が世界各地へ広がっていく過程で、復活祭にアングロサクソン(現在のデンマーク人やドイツ人など)の習慣を取り込んでいった結果と考えられるからです。
「イースター」という呼び方が、彼らの神話の春の女神の名前(Eostre(エオストレ))と関係しているためですが、細かいことはわかっていません。
イースターに卵やうさぎを使われるようになったのはなぜ!?
欧米のキリスト教徒にとって、イースターはクリスマス以上に大切なお祭りで、クリスマスと同じように一族が集まって食事を楽しむ機会になったりします。
そんなイースターに欠かせないのが卵とうさぎです。
中でも卵はイースターの遊びに欠かすことはできません。
イースターにはイースターエッグというカラフルなゆで卵を作ります。
これはごく普通のゆで卵ですが、殻を染めたり色を塗ったりしてカラフルなデザインに仕上げます。
最近は、卵アレルギーの子供にも配慮して、中にジェリービーンズなどのお菓子を詰めた卵型のプラスチックの容器を使うこともあるようです。
このイースターエッグを、大人は家や庭のあちらこちらに隠しておきます。
子供にとって、それを探し回る「エッグハント」はイースターの楽しみのひとつです。
その他にも、スプーンにのせた卵を、誰が割らずに一番速く運ぶことができるかを競争する「エッグレース」や、卵を割らないで転がして遊ぶ「エッグロール」など、卵を使った遊びがイースターにはいろいろと行われます。
そして英語圏やドイツの周辺では、クリスマスプレゼントを運ぶのがサンタクロースであるように、イースターエッグを運び、そして隠すのは、イースターバニーと呼ばれる野うさぎの仕業である、という伝承も伝わっています。
いったいなぜ、イースターにうさぎと卵が登場するのでしょうか?
うさぎは多産な生き物であるため「繁栄と豊潤」の象徴とされていました。
また、イースターの語源となったゲルマンの春の女神エオストレが野うさぎで象徴されていたことも関係していたようです。
そのせいか、イースターバニーの伝説は、ゲルマン系の人々が住んでいるドイツや英語圏の国々以外では、登場することはありません。
そして一方の卵は、見た目には動かないにもかかわらず、そこから新しい生物が誕生するため、古代から「復活の象徴」であり、「新しい命の象徴」でした。
この伝承がイエス・キリストの伝説の中に入り込んで、イースターの復活の象徴になっていったようです。
特に有名な伝説として、マグダラのマリア(イエス・キリストの女弟子で、キリストの復活の最初の目撃者となった)と赤い卵の伝説があります。
マグダラのマリアがローマ皇帝にイエス・キリストの復活を伝えたところ、皇帝は「そんなことは白い卵が赤くなる以上にありえない」と反論をしました。
ところがその途端、マリアが献上しようと持参していた白い卵が真っ赤に染まってしまいました。
赤という色は、キリストの血によって世界が救われたことと、人類が再生することを意味しています。
そしてこのことからイースターを祝うとき、赤く染めた卵を贈り合う習慣ができたといわれています。
今日のイースターエッグは子供を喜ばせるため、赤一色ではなくもっとカラフルに着色されていますが、もしかしたらその由来は、この伝説なのかもしれません。
まとめ
イースター、つまり復活祭というキリスト教の祝祭について、その意味をイースターのシンボルである卵とうさぎの話題を中心にまとめました。
イースターのことを、何となく楽しい西洋からやって来た春のお祭り、と単純に考えず、その背後にあるキリスト教の復活の教えを思い出してください。
少しだけ物知りになって、決して悪い気分にはならないでしょう。