昔は年末になると各地域ごとにペッタンペッタンとお餅つき大会が催され、子供たちはあんこやきな粉などで味付けして食べましたが、最近ではそんな行事も少なくなってきましたね。
日本のそんな伝統を大事にしようと学校や幼稚園などではイベントとして行うこともあるそうで、そんな伝統行事は大事にしていきたいものです。
しかしなぜ年末になるとお餅つきは行われるのでしょうか?確かに深く考えたことはなかったように思います、さらにそんなお餅にはどんな語源があるのでしょうか?
今回は年末に行われる「お餅つき」の意味や由来、またお餅の語源について調べていきたいと思います!
目次
年末に餅つきをする意味や由来とは!?
年末の一大行事の1つである「餅つき」、昔はそれこそ12月の「風物詩」とされていました。
俳句で言うところの、12月の季語としても「餅つき」は使用されていることから年末の行事であることが分かります。
餅つきをするそもそもの意味は、神様へのお供えのためでした。
おめでたいハレの日にお餅つきは行われています。
お餅は白く丸い形で大事な食料であるお米から作られています。
そのため霊が宿る神聖な食べ物とされてきたのです。
神様へのお供え物としてささげられた後は、そのお餅を食べることで生命力などの力を頂けるとして古くからお餅つきは行われているのです。
新年は1年のうちで最大のハレの日です。
歳神様にお供えするためのお餅(鏡餅)を年末のうちに用意します。
そのため年末に餅つきが行われるんですね。
ちなみにこの「鏡餅」には昔から歳神様が宿ると言われていて、お供えが終わった鏡餅には歳神様が与えてくださった生命力が宿ているのでそれを分けていただくために『鏡開き』をして新たな1年の活力をもらうために食べるんです。
普段何気なく食べているお餅ですがこうして見て見るととても神聖な食べ物であることが分かりますね。
餅はどうしてお祝いの時に食べるようになったの?
さて、お餅月を年末に行う理由については分かったところで、お正月の他にも地域によっては子供が生まれて1歳を迎えたら1キロのお餅を背負わせる『一升餅(誕生餅)』というお祝い行事に使われているのですが、なぜお餅はおめでたいお祝いの席で食べられるようになったのでしょうか?
お餅は稲作の伝来と共に東南アジアから伝わったと言います。
いつごろから日本でお餅が食されるようになったのかと言うのは明確にはなっていません。
しかし少なくとも奈良時代には『餅』という産物があったことは分かっています。
『風土記』という文献の中には奈良時代の産物や国、伝説について書き記されています。
その中にはお餅が登場するある伝説があります。
それは大昔、豊後国(今の大分県のあたり)に、白い鳥が飛んできてそれが「餅」になり、それから豊後国は豊かな国へとなったという伝説です。
また国の法律を定める書物である『養老令』のなかには国政に関わるお仕事の中には“菓子職人”がいて『主菓餅』を作っていたと記されています。
このような文献から、お餅がかなり古くから存在していて国を豊かにしたとされる伝説の1つになるほどの貴重な存在だったことが分かります。
その後平安時代に入ると、年間行事がきっちりと定められるようになり、各行事の際に天皇陛下や貴族たちがお餅を食べるようになったのだそうです。
その名残が現代に受け継がれているんですね。
とはいえ、一般の庶民がお餅を食べれるようになったのは江戸時代に入ってからだったようです。
こうして『お餅』がお祝いごとの行事の際に食されるようになったのです。
餅の言葉の語源について
お餅が大昔からお祝いごとの行事の際に食べられる貴重な食べ物であることは分かりました。
日本でお餅と言う文字が使われるようになったのは先ほども書いた通り奈良時代にはあったわけですが、なぜ「餅」と言うのでしょうか?
その語源を調べたいと思います。
お餅と言う言葉にはその語源がたくさん考えられています。
中国語・台湾語の「モアチイ」から
中国や台湾では、お餅の事を「モアチイ」と呼びます。
お隣の国と言うこともあり、餅が日本の渡来する際に、モアチイが転じてモチになったと言う説があります。
望月が由来
満月を表す「望月」。
満月の月のような円の形が、円満の象徴となっていると考えられ、太陽や月を尊崇し、太陽や月になぞらえて餅の形を円形にしたり、望月からとって「モチ」と発音したのではないかとする説です。
持ち歩くご飯説
お餅は小さくて持ち運びには便利、さらには腐りにくく重宝されました。
持ち歩くことの出来る食事という意味で「もち」と呼ばれるようになったという説です。
どれももっともなような気もします。
中でも最後の持ち歩くことのできるご飯説は、なぜか妙に納得できました。
これだけの説がありますが、お餅の語源がどれに該当するのかは明確にはされていません。
漢字の由来は?
最後に調べるのは「餅」という漢字の由来についてです。
お餅は会意兼形声文字で「食」と「并」という文字になります。
「食器に食べ物を盛り、それに蓋をした」象形「食べ物」の意味と「人を並べて繋いだ」象形「合わせる」の意味から、穀物をこね合わせて蒸して食べる「餅」という漢字に成り立ちました。
このような文章にすると少し難しいですが、つまりは人が並んで食べ物を食べる象形なんだと思います。
お餅つきをするとその後、みんなで出来立てのお餅を囲んでこねたり丸い形にします。
そんな姿もきっとお餅の漢字の意味するものになったのではないかと思います。
まとめ
今回は年末の恒例行事である「お餅つき」がなぜ年末に行われるのか、お餅が祝い事の際に食べられるのはなぜか、などお餅に関する様々な由来や意味について調べてきました。
今ではすっかり日本の食文化の代表的存在となった“お餅”の存在はとても古く、奈良時代にはあったこと、伝説の1つになっていたことから祝いの席で食べられるようになったこと、持ち歩くことができるご飯と言う意味からお餅と言う言葉になったと言う説などが分かりましたね。
さらにお餅の語源や漢字の由来まで調べてきました。
お餅はこれからも日本人にとってお祝いごとには欠かせない食べ物となっていきます。
古くから行われていたお餅つきの伝統を大事にしながらそれを後世に受け継いでいきたいものですね。