日本人の食事に欠かせない形の一つに、「弁当」があります。

外出先や屋外で食事をするために、専用の弁当箱に主食や副菜を詰めて食事が楽しめるようになっています。

学校や会社などに食事を携帯していく文化は世界中にありますが、日本の弁当は独自の文化を繰り広げてきました。

自宅で作る弁当には専用の箱や保温容器があり、店で売っている弁当には駅弁や幕の内弁当などがあります。

ここで弁当の由来や意味、そして中に入っている「バラン」についても由来や役割などを紹介します。

弁当の名前の意味や由来とは!?

由来 バラン 弁当

日本人は遠足や運動会などあらゆるシーンで、お母さんやおばあちゃんが作った手作り弁当を食べる機会があります。

中学・高校に通う時に学校によって給食のシステムを導入していない所もあるので、昼食に弁当を持参している生徒もたくさんいます。

また旅行の時には、駅弁を楽しむ人も多いはずです。

このように私達に馴染みの深い「弁当」ですが、この意味がいくつかあります。

まずは今紹介したような「外出先で食べるために持っている食べ物」です。

そして口のまわりについたご飯を「口にお弁当がついてるよ」などと表現することもあり、食事の意味だけで使われる言葉ではありません。

弁当という言葉ですが、中国の「弁當(べんとう)」が語源だと言われています。

この「便當」は「便利な事」や「好都合」と言う意味で、中国南宋時代に作られた言葉です。

この言葉が日本に入ってきて、「弁えて(そなえて)用に当てる」と言う意味から「弁当」になりました。

日本では安土桃山時代から「弁当」と呼ばれるようになりましたが、弁当の週刊は縄文時代にすでに始まっていたと昔の書物に記録が残されています。

しかし昔は今のような弁当箱は存在していないので、葉っぱにおにぎりを包む方法や、携帯用のえさ袋を代用していたそうです。

弁当の内容も干飯・米飯・芋などです。

そして時代を経て、仕出し弁当や幕の内弁当などが食べられるようになりました。

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幕の内弁当の名前の由来とは?

弁当の種類の中に幕の内弁当があり、おにぎりを葉っぱに包んだだけの弁当よりも手が込んでいます。

一般的に幕の内弁当には白飯が使われ、俵型のおにぎりにして並べられています。

ご飯の上には黒ゴマがふりかけられ、真ん中に梅干しが載せられています。

おかずは焼き魚・卵焼き・煮物・揚げ物など、汁気の少ないおかずが多数詰めあわせてあります。

江戸時代に芝居文化が盛んになり、この頃に芝居小屋で働く役者や裏方のために作られたのが幕の内弁当の始まりです。

最初は握り飯に副菜を添えただけの物でしたが第二次世界大戦後より、次第に高級飲食店で取り扱われ品数も増えて行きました。

幕の内弁当の「幕の内」は芝居と芝居の幕間を意味しています。

江戸時代の人達が芝居が終わって次の芝居が始まるまでの幕間に用意してきた弁当を食べていたことが、幕の内弁当の語源だと言われています。

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弁当の仕切りに使われるバランの由来とは?

由来 バラン 弁当 仕切り

スーパーなどで買ったお弁当やお寿司の中に、緑のギザギザが入っています。

これは「バラン」と言う名前のプラスチックの装飾品です。

バランの由来は、「葉蘭(はらん)」というユリ科の植物が由来です。

昔の料理人や寿司職人は葉蘭の葉っぱをおかずの仕切りに入れていました。

しかし葉蘭の葉っぱは必要な時に手に入らない事があり、そして時間が経つとおかずに葉っぱの匂いが付く事があります。

しかしプラスチック素材の物が世の中に普及していくと、葉蘭の葉をプラスチックで作れるのではないかと言う案が提案されました。

そこで試作品を作ったのがバランの始まりで、見栄えが良くなるようにギザギザの形が付けられました。

当初はバランを「人造ハラン」と呼んでいましたが呼びにくかったため、「人造バラン」に変わりました。

そして「人造」が省略されて「バラン」と呼ばれるようになりましたが、イントネーションも「ラ」にアクセントが付くようになりました。

弁当にバランが使われる意味・役割とは?

植物の葉蘭のかわりにプラスチックで作られた「バラン」には、主に3つの意味と役割があります。

先ず一つ目の意味は、弁当の彩りを良くする事です。

弁当に入るおかずは煮物など濃い味付けの傷みにくい物が主ですが、全体的に茶色っぽくなりがちです。

しかしそこに緑色のバランを入れると彩りが良くなり弁当全体が華やかになり、装飾の役割を果たしています。

次に二つ目の意味は、隣同士のおかずの味が混ざらないようにする事です。

日持ちがして傷みにくい漬物は塩味や酸味が強いため、隣の料理に移り味を変えてしまいます。

バランには仕切りの役割があり、これが一番重要とも言われています。

最後に三つ目ですが、おかずを傷みにくくする事です。

弁当のおかずの中には水分を多く含む物や、水分を含むと劣化する物があります。

バランで仕切っておかず同士の水分の移動を防ぐ事で、食品の保存性を高める役割もあります。

実はバランには、「仕切りなんて要らない」と言う不要論もあります。

どうせ食べられないのだから、バランを無くしてコストカットしてほしいと言う声があります。

長年にわたってこのような声があり、バランではなくて透明のビニールやラップのようなものでいいのではないかと言われてきました。

しかし今だに多くの弁当や寿司に、バランが使われています。

なぜなくならないのかと言うと、バランはコストが安いからです。

1枚約0.3円程度なので、バランを無くしても弁当の値下げにはつながりません。

低コストのバランが上の3つの意味・役割を果たしているので、無くす必要はないと考えている料理人や寿司職人が多いのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

弁当の文化は縄文時代にはすでに始まっていましたが、名前は中国語が由来でした。

そして江戸時代に入ると芝居のような娯楽が庶民にも広がり、それに合わせて弁当の文化も進歩します。

お店で買う弁当や寿司に入っているバランにも意味があり、弁当の風味や保存性を損なわないようにする重要な役割を果たしています。

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