今回は「じゃんけん」はどうやってできたのかをご紹介したいと思います。
誰もが一度はやったことがあるじゃんけん。
ルールは知っていてもルーツや由来って謎ですよね。
世界で使われているグーチョキパーを使ったじゃんけんですが、発祥は日本だと言われています。
じゃんけんができる前に使われていた拳遊びについてもご紹介します。
目次
「じゃんけん」の名前の由来について
様々な時代や地域でじゃんけんの元になった遊びはあったものの、江戸時代まで文献による記述は残っていないそうです。
なのでじゃんけんが何故「じゃんけん」と呼ばれるようになったのかには憶測の由来しかありません。
明治時代の「石拳」から
石拳のルールは現在のじゃんけんと同じです。
グーチョキパーではなく、石と鋏と紙を表していました。
石拳は「じゃくけん」と呼び、それが訛ってじゃんけんと言われるようになったという説が一番有力だと言われています。
とてつる拳から
1847年に芝居で演じられた「とてつる拳」。
三味線をかき鳴らしながら「じゃんじゃかじゃかじゃじゃんけんな」とうたいながら拳を打つシーンがありました。
この曲はじゃんじゃか節と呼ばれ、やがてじゃんけんなと縮められ、「じゃんけん」という言葉に変化したのではないかという説です。
その他の説
「両拳(りゃんけん)」などの中国語や「蛇拳(じゃけん)」が訛ったもの。
じゃんけんのルーツは!?いつから始まったの?
現在使用されているグー、チョキ、パーで勝敗を決めるじゃんけんは日本が発祥です。
じゃんけんはいつから始まったのか
じゃんけんのルーツは指の形で勝敗を決める「拳遊び」。
紀元前から西洋問わずに自然発生し、指の形や呼び方は様々です。
日本に伝わったのは中国の拳遊びです。
平安時代には「数拳」、元禄時代には「本拳」、江戸時代には三すくみ拳と呼ばれる「石拳」「両拳」「虫拳」などが伝わりました。
三すくみ拳は長崎に伝わったことから「長崎拳」という呼び方もされていたようです。
現在のような「じゃんけん」になったのは明治時代と言われています。
交通や情報網の発達によりローカルルールが淘汰され、じゃんけんへと呼び方やルールが統一されたと言われています。
由来となった拳遊びのルール
虫拳
人差し指を蛇、親指をカエル、小指をナメクジと表します。
じゃんけんと基本的なルールは同じで、蛇はカエルに強く、カエルはナメクジに強く、ナメクジは蛇に強いというものです。
江戸時代の浄瑠璃には「蛇拳(じゃけん)」という名前で登場しており、じゃんけんという呼び方のルーツになったのではないかとも言われています。
数拳
2人で行う遊びで、お互いがそれぞれ指を出し、合計の数を言い当てるという遊びです。
出せる指は3種類から選ぶことができました。
拳を握る=0、2本の指を出す=2、手を開く=5
この形が現在のグーチョキパーになったのではないかと言われてます。
じゃんけんの3つの出し方について
じゃんけんはグー、チョキ、パーの3つの出し方があります。
グー
握りこぶしを作ります。
親指は4本の指に入れても外に出していてもかまいません。
チョキ
人差し指と中指を伸ばし、他の指は曲げるピースサインのスタイルが一般的です。
親指と人差し指を伸ばす出し方もあります。
元々は親指と人差し指を伸ばすのが原型でしたが、現在では「田舎チョキ」や「男チョキ」と呼ばれ使う人は少なくなっています。
パー
五本の指を伸ばして広げます。
グー、チョキ、パーの呼び方の由来は地域によって異なり、どれが大元の由来になったのかは今となってはわかりません。
グーチョキパーの由来とは?
グーの由来とは?
- 石を表している
- グッとこぶしを握ることからグーと呼ばれる
「最初はグー」という掛け声、瞬時に作りやすい形のためか、急にじゃんけんを仕掛けた場合に高確率で相手が出す手だと言われています。
チョキの由来とは?
- ハサミを表している
- チョキンと切るような仕草からチョキと呼ばれる
- 猪牙(ちょき)が由来で、猪の2本の牙を表している
相手に思考の余裕がある時出やすい手だと言われています。
(例えばじゃんけんで決めようとあらかじめ声をかけていた場合等)
パーの由来とは?
- 紙や布を表している
- パッと手を広げる動作からパーと呼ばれる
相手の手が読めない時に頼るのがパーだと言われています。
じゃんけんの掛け声の由来!なぜ最初がグーなの?
じゃんけんの際に言う「最初はグー」という掛け声。
由来は大ヒットした昭和のテレビ番組「8時だヨ!全員集合」のコントからです。
西部劇のコント内で志村けんさんと仲本工事さんがじゃんけんの際に「最初はグー」が初めて取り入れられ、それを観た子供達が使うようになり、やがてじゃんけんの定番になっていきました。
「最初はグー」の他にグーチョキパーを表す「最初はグー、いかりや長介(チョキ)、頭はパー」などの掛け声もあります。
最長の掛け声は「最初はグーまたまたグーいかりや長介頭はパー正義は勝つとは限らないじゃんけんポリポリカトちゃんぺっ!」というものです。
元々はドリフのお笑い芸人たちが飲み会の際に飲み代を誰が払うかをじゃんけんで決めていたことから。
複数でのじゃんけんは中々そろわず、志村けんさんが「最初はグーで揃えましょう」と言い出したことから使われるようになったそうです。
一番根強いのは「最初はグー」ですが、地域やローカルルールによって様々な掛け声が存在します。
- 「最初はパー」…ここでグーを出してしまうと負け扱いされることが多いようです。
- 「最初から」…グー無しで始まる不意打ちじゃんけんです。
他にも「軍艦じゃんけん」や「ちっけった!」など独特な掛け声があります。
まとめ
<じゃんけんの呼び方の由来>
明治時代に流行った石拳から。
現在のじゃんけんと同じルールを持つ石拳。
グーチョキパーではなく石と鋏と紙で表現されます。
石拳は「じゃくけん」と呼び、それが訛ってじゃんけんとなったと言われています。
<ルーツ>
中国から伝わった拳遊び(数拳、本拳、石拳等)。
数拳には現在の手の形が、本拳や石拳には現在のじゃんけんのルールと同じ「三すくみ」が存在し、そこから洗練と統一を重ねじゃんけんになったと言われています。
<「最初はグー」の掛け声>
「8時だヨ!全員集合」のコントから。
志村けんさんと仲本工事さんのじゃんけんシーンで「最初はグー」と言ったことから全国に広まりました。
じゃんけんは古くから存在し、由来は現在も研究段階だというのは驚きですよね。
由来だけでなく、じゃんけんの勝率についても研究している方がいます。
最も出やすいのがグー。
その確率は大人数相手だと35%だそうです。
逆に最も出にくいのはチョキなので、初手でパーを出すと勝率が上がるのだそうです。
3種類というシンプルなパターンなのに奥の深い心理戦を味わえる。
これがじゃんけんが古くから根強く存在する理由なのかもしれません。