日本には昔から、お正月遊びというものがありますよね。
おじいちゃんおばあちゃん世代の方は、とくに小さい頃にやっていたのではないでしょうか。
今の子供は、ネット環境やゲーム機などの普及に伴って、そういった昔からの遊びに手を出すことはないかもしれません。
少し寂しいものですが、時代の移り変わりを考えると当然ともいえるでしょうか。
ですが、そういった風習が当たり前になってきた今こそ、日本の昔ながらの伝統的な文化に興味をもつべきだと思いませんか?
お年寄り世代の人たちがいなくなったら、それと同じように昔の文化も消えてしまうなんてことがないように、子供たちにはぜひ、お正月遊びに触れてみてほしいと思います。
ということで、お正月遊びについていろいろまとめてみました。
目次
お正月遊びにはメリットがある!
お正月遊び、と言われると「まあ所詮は遊びだし、特に意味なんて無いだろう」と思う方もいるでしょう。
ですが、実はお正月遊びをするにあたって、れっきとしたメリットが存在するんですよ。
ひとつは、もちろん昔からの日本の遊びに親しむという理由もあるのですが、他にも子供の能力や成長に影響する、という効果も期待されているんです。
例えば、凧揚げは体力をつけるため。
百人一首は記憶力を培うためなどなど。
ただ遊ぶだけに見えて、実はとても効果のあるものなんです。
伝統的なお正月の遊びの由来や意味とは?
代表的なお正月遊びは、今やあまり遊ばれることがなく、今の子供たちにとっては、歴史の教科書に載るほど古いものというイメージもあることでしょう。
「面白くない」「つまらない」「ゲームの方が楽しい」という声も聞いたことがあります。
ですが、そんな子供がいたら、ぜひやってみてほしい遊びを8つ紹介します。
きちんと意味や効果があり、家族で楽しむことができるというのを知ってほしいですね。
福笑いの由来や意味
福笑いはお正月遊びの中でも、盛り上がるイメージがありますよね。
小さな子供でも気軽にできる遊びですから、家族みんなで楽しめます。
よく言う「笑う門には福来る」を遊び化したもののような感じですね。
目隠しをした状態でパーツを選んで、顔を作り上げていく簡単な遊びですが、そのパーツ選びがまず大変。
触った感覚で、どこのパーツか判断したり、どんなサイズでどのあたりがどのパーツの置き場所か、などを脳内でしっかり考える必要がありますので、記憶力や空間を把握する能力が必要になります。
ちょっとした脳トレにもなりそうです。
かるたの由来や意味
かるたの語源は、実は日本ではなくポルトガル。
実は元々のルーツは平安時代の遊び「貝合わせ」なんだとか。
貝合わせは、貝の上下をばらしたものの中から、ぴったり合うものをさがすという遊びです。
かるたは、読み手が持つ「読み札」、参加者が取る「取り札」「絵札」があります。
取り札や絵札にはひらがな50音が一文字記されていて、読み札にはことわざなどが書かれています。
読まれた内容に合った札を取る簡単な遊びではありますが、まず耳で内容を聞き、瞬間的に目で対応する札を探して、見つけたら回収する、という3つの動作が主に必要となります。
聞いた内容を覚えていなければいけませんし、集中力も鍛えることができるでしょう。
百人一首の由来や意味
百人一首はもともと宮中の遊びでした。
その名の通り、100人の歌人が歌ったものを、一首ずつ選んだ選りすぐりの歌集を指します。
百人一首には、読まれた読み札の内容を聞き、すぐさま取り札を探し出し、間違えずに取る、という一連の流れから、反応能力や反射神経を鍛えることができるでしょう。
また、かるたと違い、読まれた句に続く、下の句を覚えている必要がありますよね。
つまり記憶力も試される遊びですから、脳をフル活用させるので、子供の脳にはとても良い刺激となるでしょう。
すごろくの由来や意味
ちょっとお正月遊びのイメージにないすごろく。
実はとっても歴史の古い遊びなんです。
日本書紀に記されていたり、正倉院にも残っていたりと、その証拠もしっかりあります。
江戸時代では、嫁入り道具のひとつに含まれていたんですって。
面白い歴史ですよね。
ですが、現代の日本では、だいぶすごろくの遊びも見かけなくなってきました。
すごろくは、サイコロを振って出た目の数だけ進むという、とてもシンプルなルールですが、その展開はまさに運任せ。
家族みんなで行うと、盛り上がる遊びですよね。
このすごろくの結果も、一年の運試しのような意味もあります。
凧揚げの由来や意味
お正月、といえばまず凧揚げがイメージとして真っ先に浮かびますよね。
凧揚げは、元々中国で行われていたもので、占いや戦場で用いられていたそうです。
それが平安時代ごろに日本へ伝わり、江戸時代ごろに、男の子の誕生を祝う時に行われていました。
後に庶民の層にも遊びとして普及し、今の凧揚げに繋がったと言われています。
男の子の誕生のおめでたさ祝う、というおめでたさが名残を残して、お正月のおめでたい時期にする遊びとなった、という一説も。
凧揚げには、「凧を高く揚げれば揚げるほど神様に近づき、願い事が叶い元気に育つ」という意味が込められています。
誰が一番高く揚げられるかで競争する子供もいますから、意味を教えてあげると俄然張り切ってくれそうですね。
言うなれば、願掛けの一種ではありますが、楽しく行えるのはいいですよね。
また、身体能力の面から言えば、凧が揚がるまで走るので、おのずと体力づくりにもなります。
凧の揚げ方や風との調整など、創意工夫なども鍛えられるでしょう。
コマ回しの由来や意味
コマ回しはもとから日本にあった遊びで、平安時代にはすでに存在していたといいます。
蹴鞠などと同じように貴族で遊んでいたのでしょうか、それとも庶民が生んだものなのでしょうか。
記録に残った歴史はあいまいで、詳しい歴史はいまだ分かっていません。
コマ回しには「人生やこれからの物事がうまく回る」「子供は早く独立できる」などを願う意味が込められています。
やったことがある人は分かると思うのですが、コマ回しって難しいですよね。
回ってもすぐに止まってしまったり、安定して回すことができなかったり…テクニックを要する遊びです。
タイミングを見計らう能力や、コントロール力を鍛えることに一役買ってくれそうです。
めんこの由来や意味
めんこは、歴史や社会の教科書などにも載っていることの多い遊びですよね。
今現在のめんこは厚紙でできていますが、江戸時代は、粘土製の「泥面子(どろめんこ)」といった、人間の顔を模した面を使っていました。
めんこ、という名前の由来はこの泥面子から来ているようです。
当時の遊び方は、泥面子を割れるまで地面に叩きつけたり、おはじきにようにぶつけたりするものでした。
人の顔を模していること考えると、なかなかに闇の深い遊びですけれどね…。
ちなみに、魔除けの意味があったといわれています。
それなら納得できますよね。
明治時代には鉛、大正時代には紙にと、めんこに使われる素材は時代ごとに変化していきました。
意味は変わらず魔除けだそうですが、男の子の中では、自分の面子を強化したり、相棒のように扱っている子もいたそうです。
はねつきの由来や意味
はねつきも、元は中国のもので、室町時代に日本に伝わりました。
邪気を払うための儀式のようなものだったそうです。
羽根に使っている「ムクロジ」は漢字にすると「無患子」、つまり「患うことが無い子」という意味となります。
はねつきが普及しはじめた当時、蚊がもってくる病気によって命を落とす子供が多く、そんな蚊を食べるトンボを、羽根に見立てうち、無病息災を願う意味があるんだそうです。
はねつきは、現代スポーツでいうとテニスやバドミントンに似ていますから、動体視力や識別能力などを鍛えられます。
簡単に言えばテクニックですね。
まとめ
いかがですか?
それぞれの遊びを掘り下げてみると、とても興味深いと思いませんか?
どういった歴史から生まれて、どんな意味や願いが込められているのかなど、いろいろと知ると、親しみを持つことができますよね。
なにもすべてのお正月遊びをしてほしいわけではありません。
例えば家族みんなでできそうなものひとつでも、やってみるのも良いですよね。
こうして少しでも日本の伝統的な文化に触れる機会を持ってもらえたらと思います。
お年寄りのいる家庭なら、お話を聞きながらするのも面白いかもしれませんよ。