雑誌の占い、特に西洋占星術のコーナーを欠かさずチェックする人なら、自分が何座生まれなのかを知っているでしょう。

ここでは、その12の星座(正確には黄道十二星座)について、どういうものなのかを説明しています。

黄道十二星座とは?

由来 星座 名前

黄道十二星座(こうどうじゅうにせいざ)とは、太陽の見かけの通り道(黄道)の上に位置する次の12の星座のことです。

  1. 「おひつじ座(牡羊座、Aries)」
  2. 「おうし座(牡牛座、Taurus)」
  3. 「ふたご座(双子座、Gemini)」
  4. 「かに座(蟹座、Cancer)」
  5. 「しし座(獅子座、Leo)」
  6. 「おとめ座(乙女座、Virgo)」
  7. 「てんびん座(天秤座、Libra)」
  8. 「さそり座(蠍座、Scorpio)」
  9. 「いて座(射手座、Sagittarius)」
  10. 「やぎ座(山羊座、Capricorn)」
  11. 「みずがめ座(水瓶座、Aquarius)」
  12. 「うお座(魚座、Pisces)」

西洋占星術では、黄道を12等分した領域にこれら12星座の名前を割り当てた「黄道十二宮」という概念を使って、占いを行います。

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12星座はいつどうやって決まったの?

星座の起源はメソポタミア地方(現在のイラク・クェートのあたり)で、紀元前3800年から紀元前2400年ごろのシュメール文明のころです。

その後、太陽の通り道にあたる黄道は重要視されて、天体観測もこの部分を中心に行われるようになりました。

黄道12星座の考え方(現在の星座とは違ったものですが)は、遅くともメソポタミアに続くバビロニア文明(紀元前2000年頃から紀元前650年前後)までには確立されました。

その後のアッシリア王国や新バビロニア王国における天文学及び占星術の発展と共に星座の知識もより正確なものとなって行きます。

星座の知識はやがてギリシャへも伝わり、ギリシャ人は自分たちの神話とそれぞれの星座を結びつけ、今日私たちが知っている黄道12星座を作り上げました。

12星座のそれぞれの名前の由来とは!?

星座の世界はギリシャに伝わってから神話の世界と結びつき、詩人や哲学者たちが美しい物語を組み立てました。

紀元前9世紀ごろのギリシャの詩人ホメロスの代表作である「イリアス」や「オデッセイア」にも、オリオン座などの星座が登場します。

12星座にもそれぞれ固有の神話が当てはめられ、今日でも広く親しまれています。

牡羊座の由来

ギリシャ神話では、牡羊座は空を飛ぶ黄金の毛の羊を意味しています。

継母に憎まれてゼウスへの生贄(いけにえ)にされそうになったプリクソス王子とヘレー王女は、あわや危機一髪というときに、ゼウスが送った黄金の羊に助けられました。

羊は兄妹をのせて空に飛び上がり、矢のように飛んでいきました。

王女は途中で海に落ちてしまいますが、王子は無事にコルキスという土地までたどり着きます。

王子はそこで黄金の羊を生贄としてささげ、毛皮をもらったコルキス王はそれを樫の木にかけて、眠ることのない火を拭く竜に守らせました。

牡牛座の由来

牡牛は、ゼウスの変身した姿のひとつです。

エウロペという娘に恋をしたゼウスは、牡牛に姿を変えて彼女に近づき、彼女と結ばれました。

なお、エウロペとゼウスが駆け回った地域が現在の「ヨーロッパ」です。

双子座の由来

双子座は、ゼウスの息子で、片方が人間もう片方が不死の神という組み合わせのカストルとポルックスという双子の姿です。

兄のカストルが戦いで命を落としたことを悲しんだ弟のポルックスがゼウスに願い出た結果、ふたりは星座になりました。

蟹座の由来

蟹座は、勇者ヘラクレスに踏みつけられたカニの姿です。

獅子座の由来

獅子座は、勇者ヘラクレスの12の冒険で、最初に倒された化け物ライオンの姿です。

乙女座の由来

乙女座は、冥界の王プルトーにさらわれて、地底の女王となったペルセポネーという娘の姿とも、大切な娘をさらわれてしまった母親の豊穣の女神デーメテールの姿ともいわれています。

あるいは、人間を辛抱強く見守っていたにもかかわらず、その争い好きな様子に最終的には愛想をつかして天へ帰ってしまった正義の女神のアストライアの姿といわれることもあります。

天秤座の由来

天秤座の由来は、正義の女神アストライアの持ち物で、人間の心の善悪をはかる天秤です。

時をはかる天秤だという説もあります。

蠍座の由来

蠍座は、力自慢の傲慢なオリオンをこらしめるため、天から送られたさそりです。

オリオンは、さそりの猛毒で亡くなってしまいます。

そしてさそりはその功績で、オリオンと共に天で星座になったのです。

射手座の由来

射手座は、ケンタウロスという、上半身が人間で下半身が馬という生き物の姿です。

誤って勇者ヘラクレスの矢を受けたケンタウロスの賢者ケイローンは無限に苦しむのを避けるため、他人に自分の「不死」を譲り、代わりに天にあげられて星座になりました。

ケイローンの弓矢は常に蠍座の心臓に向けられています。

これはゼウスの命令で、さそりが天で暴れたときにすぐ射抜くことができるように見張っているからです。

山羊座の由来

山羊座は、下半身だけ魚の形に変身した牧神パンの姿です。

神々がナイル川のほとりで宴会を開いていたところ、突然怪物が現れたので、皆動物に変身して逃げ出しました。

牧神パンは逃げ出すときにあまりにもあわてていて、上半身が山羊で下半身が魚の姿に変身したのですが、その姿の滑稽さが皆の物笑いの種になってしまったのです。

水瓶座の由来

水瓶座は、瓶を持った美少年の姿です。

名前はガニメデです。

ガニメデは、あまりの美しさのためゼウスにさらわれ、オリンポス宮殿で神々の飲むお酒(ネクタル)のお酌をすることになりました。

魚座の由来

魚座は、怪物から逃げようと魚になってナイル川を逃げる、美の女神アフロディーテとその子のエロスの姿です。

ふたりははぐれないように、互いの尾のところをリボンで結び合っています。

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12星座のシンボルマークの由来とは?

由来 星座 シンボルマーク

西洋占星術を少し知っている人なら、12の星座には独特のシンボルマークがあることを知っているでしょう。

これらは西洋占星術師たちが、ホロスコープを作成するときに使うシンボルマークです。

その由来を簡単にまとめておきます。

(ただし、これらの記号は天文学とは何も関係がありません。)

  • 牡羊座の記号は、牡羊の角を表しています。
  • 牡牛座の記号は、牛の顔を表しています。
  • 双子座の記号は、双子の姿をイメージしています。
  • 蟹座の記号は、カニのハサミをイメージしています。
  • 獅子座の記号は、ライオンの尻尾をイメージしています。
  • 乙女座の記号は、乙女の髪の毛をイメージしています。稲穂を持つ乙女や竪琴を持つ乙女を表している、という説もあります。
  • 天秤座の記号は、天秤そのものを表しています。
  • 蠍座の記号は、さそりの尻尾を表しています。
  • 射手座は、ケンタウロスが引いている弓矢を意味しています。
  • 山羊座は、変身に失敗して上半身が山羊、下半身が魚になってしまった牧神パンの姿をイメージしています。
  • 水瓶座は、瓶に入った水の波立つ水面を表しています。
  • 魚座は、互いの尻尾を結んだ2匹の魚を表しています。

まとめ

12星座の起源は古代メソポタミアにさかのぼりますが、現在の形にまとまったのは古代ギリシャのころです。

そのためひとつひとつの星座の由来は、ギリシャ神話と深い関係があるのです。

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