年の瀬に入ると、家の大掃除を始め年末に向けて慌ただしく過ごす方が多いのではないでしょうか。
また、どのご家庭でも新しい年を迎えるために、おせち料理の準備もあったりとその忙しさは様々かと思います。
そんな忙しさを抜けた先に新しい年としてお正月がやってきます。
お正月にはお餅をついたり、お年玉をもらったりと、新年の行事は盛りだくさんではないでしょうか。
楽しいことが待っているお正月の中で、テレビを賑わせているものの一つとしてあるのが「駅伝」ですよね。
「駅伝」と昔から呼ばれていますが、そのままの字だけを見るとなぜ「駅」を走るわけではないのにそう呼ぶのか、不思議に思いますよね。
今回は「駅伝」の名前の由来から、そもそも「駅伝」の競技についてお話していきたいと思います。
駅伝の名前の由来とは!?
そもそも駅伝とは、正式名称は「駅伝競走」と言い、数人で長い距離をリレー形式で走ることを言います。
区間は決められており、その区間を選手が走って時間を競うという陸上競技の一つで、一般的に「駅伝」と言われるものです。
今でこそお正月のメインイベントである「駅伝」ですが、その歴史は古く、日本最初に行われたのは1917年の4月27日と言われております。
大会名は「東京奠都(てんと)五十年奉祝東海道五十三次駅伝競走」と言われ、発案したのは当時讀賣新聞部長の土岐善麿と言われております。
当時の大会では、京都の三条大橋を関西組と関東組に分かれ午後2時に出発をしました。
そして東京の上野不忍池までの約508キロメートルを、昼夜問わず走り続けるものでした。
先にゴールに到着したのは関東組でしたが、その時間はなんと翌々日の午前11時34分でした。
その後、三条大橋と不忍池には「駅伝発祥の地」として碑が今も現存していると言われております。
ちなみにこの時の関東のアンカーを請け負ったのが、金栗四三です。
そしてこの大会の開催にあたり、当時神宮王學館館長であり、大日本体育協会の副会長を務めた武田千代三郎により、「駅伝」と名付けられ今に至ると言われております。
この「駅伝」の由来は、江戸時代の東海道五十三次の伝馬制からヒントを得たと言われ、その発想から「駅伝」が生まれたと言われております。
つまり「伝馬制」とは、駅まで馬に乗っていき、着いた駅でまた馬を乗り継いでいくという事から、今もなお受け継がれている歴史のある「駅伝」が誕生したとされています。
当時は首都と地方の間におよそ約16キロ毎に中継所が置かれており、その場所を「駅」と呼ばれておりました。
この中継所に馬を配置していたこともあり、この仕組みが元となったとも言われております。
箱根駅伝はいつから始まったの!?
一月二日と三日に行われる「駅伝」ですが、毎年楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。
年ごとに面白みのある「駅伝」ももちろん魅力的ですが、一体いつからこの「駅伝」が始まったのか、その歴史を振り返ってみましょう。
まず、毎年行われている「駅伝」ですが、その正式名称は「東京箱根間往復大学駅伝競争」と言います。
関東の学生陸上競技連盟加盟大学から前年度の大会でシード権を得ている大学10校の他に、予選から行い、上位に食い込んだ10校プラス関東学生連合で、合計21校が様々な思いを胸に箱根を走ります。
この「箱根駅伝」が最初に開始されたのは1920年の2月14日と言われ、オリンピックで活躍できる選手の育成のために始まったと言われております。
発案者は、関西組と関東組に分かれて行われた大会の、関東組のアンカーを務めマラソンの父とも呼ばれた金栗四三であり、同時に日本人として初のオリンピック選手でもあります。
この金栗の呼びかけに答えたのが、早大、慶大、明大、筑波の四校であることから、第一回目の名称は「四大校駅伝競走」と言われております。
駅伝で「たすき」を使うようになった由来とは?
駅伝の見どころとなるのは、やはり「たすきリレー」ですよね。
中継ごとにたすきを渡すシーンでは、たくさんの人の心を動かします。
また全力で走ってきた走者から、次の走者に渡す瞬間は、手に汗握るものではないでしょうか。
人々に大きな感動を与える「駅伝」の中で、「たすき」というのは大きな役割を担っていますが、ではなぜ「たすき」が使われるようになったのか、その謎に迫ってみたいと思います。
「駅伝」で使われている「たすき」には、「飛脚」が由来していると言われております。
この「飛脚」というのは、戦国時代の頃、他の大名へ書状を送るために派遣していましたが、江戸時代の頃には輸送や通信制度の交通手段として、馬と駆け足でその一躍を担ってきたと言われております。
そんな「飛脚」は荷物を持ったりするので着物が邪魔にならないために「たすき」をかけていたと言われ、このことから「バトン」ではなく「たすき」を渡すようになったと言われております。
他には走る距離が長いので、バトンなど手に持つものは負担になるという事や、軽くて長さが調節できるために「たすき」が使用されています。
駅伝の区間の距離や特徴をご紹介!
駅伝の距離はその大会によっては様々ですが、国際陸上競技連盟において国際レースでは、フルマラソンと同じ42.195キロを6区間で走ると言われております。
この6区間の内訳も様々あり、5キロ、10キロ、5キロ、10キロ、5キロ、7.195キロで42.195キロとなっているのが主流とされています。
ルールも大会によっては異なり、例えばタスキについても規準が設けられております。
具体的に言うならば、タスキの受け渡し時には前走者がタスキを外せるのは中継線手前より400メートルとし、次走者がタスキをかけるのはその後200メートルまでとされております。
またタスキ自体も、長さは1メートル600センチから800までとされ、その幅も6センチが標準となっております。
他にも、決まった時間に前走者が来なかった場合に行われる繰り上げスタートや、中継での立つ場所や並ぶ順番など、細やかなルールの上で駅伝は開催されているのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
「駅伝」では毎年多くのドラマがありますが、普段から当たり前に見ている「駅伝」について、より知識を深めてさらに楽しめて見ることができるのではないでしょうか。
「駅伝」の名前の由来やその歴史を知るとますます「駅伝」の魅力に取りつかれてしまうかもしれません。
また、「駅伝」での見どころである「たすき」には、チーム一丸となってその「たすき」を何としても繋ぎたいという思いが伝わります。
陸上競技というのは、ほとんどが個人での戦いですが、「駅伝」はチーム全体で一つの成績となります。
苦しい練習を共にした仲間がこの先に待っているという思いが、テレビを通しても私たちに伝わり、その思いが毎年感動を与えているのかもしれません。