赤ちゃんが誕生して一歳までには、無事な出産を感謝したり健やかな成長を願い、区切りごとにお祝いをする習わしがあります。

例えば、七日目の『お七夜』は生後初めての行事で身近な人に赤ちゃんの名前をお披露目し、生後一ヶ月頃にはお宮参りをして神社に子供の誕生を報告して健やかな成長を祈願します。

そして生後100日には『お食い初め』という行事があります。

それまでの母乳やミルクだけではなく、食べ物を用意して行うものですので色々な準備が必要になるでしょう。

せっかくお祝いするのですから、このお食い初めについての情報や知識をちゃんと理解して行いたいものですよね。

ここでは、お食い初めに関する様々な決め事などについてご紹介します。

お食い初めとは!?どんな行事なの?

由来 お食い初め 料理

お食い初めとは、生後100日目を迎える赤ちゃんのお祝いの儀式です。

離乳食を始める頃にあたる時期に、赤ちゃんにとっては初めての食べ物をお膳で用意して行うもので、『一生食べ物に困らないように』『これからも健康で丈夫に育ちますように』という願いがこめられています。

この日のためにお膳やお椀、お箸などをそろえる他、料理の他に『歯固めの石』や『梅干し』を準備します。

歯固めの石には丈夫な歯が生えるように、梅干しにはしわができるまで長生きできるようにという意味があるそうです。

また、お食い初めという名前がついていますが、実際に赤ちゃんに食べさせるわけではなく、食べさせる真似をする儀式となります。

では、実際にどのようなお膳を準備してどのように食べさせる真似をするのか、正式な形をご紹介します。

食べさせる人は、そのお祝いの席で一番長寿の人がお箸を持って行うのが正式で、例えば男の子ならおじいちゃんの左ひざ、女の子の場合はおばあちゃんの右ひざに座らせて儀式を始めることになります。

食べさせる順番にも形があり、ご飯→汁物→ご飯→魚→ご飯の順に3回食べさせる真似をします。

正しこうでないといけないということではありませんので、家族や出席している人によってできる範囲で行うといいでしょう。

お食い初めの由来は!?

お食い初めの歴史は平安時代にさかのぼるといわれます。

当時は生後100日ではなく50日目の頃に、重湯の中に餅のかけらを入れてそれを赤ちゃんの口に少しだけ含ませるという儀式があったそうです。

この行事は『五十日(いのか)の祝い』といい、この時に食べる餅は『五十日餅(いのかもち)』とよばれたそうです。

その後この『五十日の祝い』が『百日』になり、鎌倉時代には餅が魚にとってかわり、『真魚始め』などとよばれるようになったのだということです。

100日祝いの『お食い初め』という呼ばれ方をされるようになったのは、室町時代くらいからだといわれます。

今ほど医療が発達していなかった時代には、生まれてきた赤ちゃんが無事に成長していく確率が今ほど高くありませんでした。

病気や栄養失調など様々な理由で、幼い命が消えていくことも少なくなかったのですね。

そのため、赤ちゃんの成長を節目ごとに祝い感謝し、その先の健康を祈る儀式が生まれたのではないかといわれます。

赤ちゃんの100日祝いにはその時代や地方によっても様々な呼び名が生まれてきましたのでご紹介します。

  • 『箸初め』『箸揃え』『箸祝い』

赤ちゃんが初めて箸を使うという意味でついた

  • 『真魚始め(まなはじめ)』『真魚の祝』

赤ちゃんに初めて魚を食べさせることからついた

  • 『百日(ももか)』『百日の祝い』

誕生時の倍の重さくらいまで成長し首も座る生後100日を赤ちゃんの節目とした

いつ行うのがいいの!?

お食い初めは、生後100日を節目としたお祝いの儀式ですが、地域によっては100日から120日の間に行うところもあるようです。

きっちり100日目にお祝いをすることにこだわるよりは、家族や親族が揃ってお祝いできる吉日に行うのがいいですよね。

実際、お食い初めの行事を若干先延ばしすることを不吉なものとする考えはないようで、むしろ『食い延ばす』ことにつながるという考えから110日に行うようになった地域もあるそうです。

はるか昔の時代から変わらない赤ちゃんへの想いや願いを未来へ伝えるためにも、この大切な節目になる行事を受け継いでいきたいものですね。

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お食い初めの料理と由来について

お食い初めの料理は、江戸時代から受け継がれてきた一汁三菜が基本でそれに尾頭つきの焼き魚(鯛など)というもが基本になるようです。

まだ母乳やミルクしか飲んでいない時期なので、本当に食べさせるわけではなく食べる真似をさせるだけになりますが、これらの料理にはそれぞれに赤ちゃんの成長を祈る想いが込められているのですね。

お食い初めのメニュー

主食:赤飯

昔から赤色は邪気を払うとされているため、お祝いの席では赤飯がふさわしいとされますが、豆ごはんや季節を感じる栗ご飯などを頂く場合もあるそうです。

もちろん白飯でも構いません。

汁物:はまぐり・鯛などのお吸い物

はまぐりの貝殻は対になっている相手としか合わないことから、良い伴侶と巡り合えるようにという願いがこめられています。

鯛皿:尾頭付きの魚

お祝いの席に一般的に出されている鯛は、『めでたい』の語呂合わせからお祝いの席にふさわしいとされます。

地方によっては『ほうぼう』を使う場合もあるそうです。

煮物:季節の野菜

紅白になる人参と大根、そしてかぼちゃやシイタケを六角形に切って亀の甲羅に見立てたものや、先の見通しが良くなるというレンコンや子沢山を願う里芋などを入れる場合もあるそうです。

香の物:酢の物も可

キュウリやナスなどのぬか漬けなどを箸休めとして用意します。

酢の物を作っても構いません。

料理以外に準備するもの

  • 歯固めの石:丈夫な歯が生えてくるようにという願いをこめて
  • 梅干し:梅干しのようなしわができるまでの長寿を願って

なお歯固めの石については、地元の神社の境内で見つけたものを使い、お食い初めの儀式が終わりお参りに行った際に返すというのが古くからの習わしになっているということです。

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お食い初めの食器は男女で違う?その由来とは!?

由来 お食い初め 食器

お食い初めの儀式には、お祝い用の食器と柳の白木の箸を使うのが一般的なのだそうです。

この食器、正式には漆器を使うのが好ましく、男の子用と女の子用で色や模様が違いますので覚えておくといいでしょう。

男の子の食器

  • (色)朱塗り
  • (文様)昇進や活発さを表す日輪や菖蒲

女の子の食器

  • (色)外側が黒塗りで内側が朱塗り
  • (文様)愛らしく優雅な花文様や束ね熨斗の文様

 

食器やお膳がすべて漆器であるのは、このお祝いが始まったとされる平安時代には現代のような陶磁器などの器がなく漆器が一般的なものであったからと言われます。

脚付きのお膳も当時の様式に合わせてのことですので、現代の私たちはそれを踏まえながらも、それぞれの都合を取り入れながら準備をしていくといいでしょう。

もちろんあらかじめ準備している離乳食用の食器でも構いません。

まとめ

生まれて100日の節目で行われる『お食い初め』の儀式についてご紹介しました。

これまでの成長と今後の健康や発展を祈り、家族そろって行う食事の場ですので、きっといい思い出になることでしょう。

この儀式は平安時代から受け継がれてきたものですが、当時のしきたりがそのまま伝わっているものも多くあります。

当時の日常品であった漆塗りの食器を使い、お膳の形式にしてお祝いするのが正式ですが、そこはそれぞれのご家庭の都合でアレンジをするのも構わないでしょう。

一番大切なのは、赤ちゃんの成長を家族そろって祈る気持ちですので、皆さんでいい思い出を作ることができるために、この行事の意味合いや、やり方の基本をよく理解しておくことが大切になるのですね。

一生に一度しかないこの節目をいい思い出にして下さいね。

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