ぜんざいやおしるこなどの甘い汁は、好きな方が多いのではないでしょうか。

甘く煮た小豆に絡めて食べる白玉やお餅は、格段に身体を温めてホッとした気分を味わわせてくれますよね。

ところで、「ぜんざい」と「おしるこ」の違いは気にせずに普段から使われている方も多いかと思いますが、実は微妙な差異があります。

また、白玉を入れるかお餅を入れるかそれによってもご家庭や地域によって違うという方も多いのではないでしょうか。

また、汁があるのかないのか、さらにはつぶあんなのかこしあんなのか、考えていくとますます謎が深まっていきます。

今回はこの二種類の違いから、それぞれの名前の語源について紐を解いていってみましょう。

ぜんざいの漢字でどう書く?名前の由来とは!?

由来 ぜんざい 名前

ぜんざいは地域により違いはありますが、まずはぜんざいができた語源についてお話していきたいと思います。

ぜんざいを漢字では「善哉(ぜんざい)」と書きますが、元は仏教語で「すばらしい」という意味を表していると言われ、漢訳として「sadhu」と書きます。

これはサンスクリット語を意味しており、サンスクリット語とは、古代インドやアーリア語に属し、南アジアや東南アジアでも使われた古代語で、文学や宗教の分野でも幅広く用いられたと言われております。

この「善哉」は、仏が弟子を称賛する時に使用され、主に「実に良い」、「それが良い」など、賛成の意味を表すときに用いられたと言われております。

そんな中で、「善哉」が「おしるこ」を意味するようになったのには、この甘い汁を食べた僧が絶賛したときに述べた言葉が「善哉」ということが由来と言われておりますが、今現在はまだ未詳ということでもあります。

他では一休禅師が「善哉此汁(よきかなこのしる」と発したという説や、出雲大社にて「神在餅(じんざいもち)」からなまり、「ぜんざい」と呼ばれるようになったとも言われております。

出雲では、「じんざい」が「ずんざい」の発音になり、他の地方出身の方には、この発音が「ぜんざい」に聞こえたということです。

そのことが京都へと伝わり、賛成や称賛の意味を成す「善哉」と合わさって今に至ると考えられております。

「神在餅(じんざいもち)」が京都で「ぜんざい」になった由来についても定かではありませんが、この「神在餅(じんざいもち)」と「ぜんざい」の作り方がほぼ同じという理由からとも言われております。

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ぜんざいとおしるこの違いって何!?

「ぜんざい」も「おしるこ」も、小豆をお砂糖で甘く煮て、餅や白玉などをお椀によそったものをいいますが、この違いは関東と関西の地域により異なっております。

一般的に関東では汁があるかないかで、また関西では使用した餡の違いにより区別されていると言われております。

では具体的にどのように違うのか、関東と関西別にお話していきたいと思います。

まず関東での「ぜんざい」というと、餅に餡をかけたものを言い、「おしるこ」とは、あずきの汁の中に焼いた餅や白玉を入れたもの言います。

一見すると同じように聞こえますが、主役となるのが餅になるのか、餡になるのかの視点により異なると言われております。

つまり関東でいう「ぜんざい」とは、餅がメインであるので、餡が餅を埋め尽くすようなことはなく、餡が「タレ」のようにさっくりとかかっているだけで良いということです。

逆に「おしるこ」となると、今度は小豆の汁がメインとなっているので、たくさんの汁の中に餅や白玉がどっぷりと浸っていなければ「おしるこ」とは呼べないと言われております。

続いて関西での「ぜんざい」とは、小豆を溶かした汁の事を言い、「おしるこ」とは、先ほどの「ぜんざい」の汁に、餅や白玉が入っているものを言います。

つまり、関西地域では餅や白玉などの「具」が入っているか、入っていないかによって「ぜんざい」と「おしるこ」に分けられていると言われております。

このように関西と関東を比べると、「ぜんざい」では、餅が入っているか入っていないか、また汁気が多いか少ないかという違いになります。

つまり、餅がなく汁気が多めなのが関西での「ぜんざい」であり、餅が入っており、汁気が少ないのが関東での「ぜんざい」ということになります。

そして関西と関東での「おしるこ」の場合では、前述を見るとどちらとも違いはないように思われますが、一説では関西での「おしるこ」と呼ばれるものは、「こしあん」のみで作られたものしか「おしるこ」とは呼ばないと言われております。

逆に関東での「おしるこ」は「こしあん」のみならず、「つぶあん」を使用した「おしるこ」でも、両者ともに「おしるこ」と呼んでいると言われております。

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おしるこの名前の由来や歴史とは!?

由来 ぜんざい おしるこ

おしるこを漢字では「お汁粉」と書きます。

この「お汁粉」は江戸時代ではすでにあった食べ物であり、当時は塩味が主流となっておりました。

この「お汁粉」は、餡である汁の中に子(実)とした焼き餅や白玉を入れることから、「餡汁子(実)餅」つまりは「あんしるこもち」と呼ばれ、これが略され「汁子」になりました。

そして、さらに転じたことにより「汁粉」になったということです。

前述にあったように、お汁粉は江戸時代の頃により食べられていましたが、その起源となるのは、当時「すすり団子」という名であったと言われております。

この「すすり団子」とは、もち米とうるち米を合わせ、小豆を粉にして塩味をつけた汁で煮たものです。

これに、さらに当時は高級でありなかなか手に入ることがなかった「白砂糖」をふりかけたものをお酒の肴として食べられていました。

今では塩味のお汁粉とは想像は出来ないですが、このしょっぱいお汁粉が起源となり、今の甘いお汁粉が誕生したということです。

この塩味のお汁粉が、今では当たり前になった甘いお汁粉がどのように変遷していったかは、詳しい文献は不明として知られていますが、お汁粉の手法で塩を入れて甘みをだすという方法が現在も受け継がれているので、「すすり団子」の塩味がこの手法へと変わっていったのではないかと思うと、伝統は今もなお受け継がれているのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

この日本という国だけでも、地域により「ぜんざい」と「おしるこ」の意味が違うとは驚きですよね。

見た目はほとんど同じように見えても、メインが餅なのか汁なのかにより、呼び名が変わるのは面白いのではないでしょうか。

もし、親戚や友人に自分と出身地が異なっているのであれば、「おしることぜんざいの違いは何?」と尋ねてみてはいかかでしょうか。

その地域ごとの違いにより、「おしるこ」と「ぜんざい」の区別がより楽しく感じるのではないでしょうか。

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