今回はカンボジアについて国旗や歴史を詳しくご紹介していきたいと思います。
紙幣に日の丸が描かれる程、親日国であるカンボジア。
しかし日本人はあまりカンボジアの事を知りません。
植民地化や内戦が続いたカンボジアが現在の姿となったのは1991年と最近のことです。
政権が変わる度に国旗も新調された為、めまぐるしい歴史は国旗を見ると実感できるかと思います。
カンボジアの国旗の由来や意味について
現在のカンボジアの国旗は青、赤、青が1:2:1の割合で並んだ3つの横縞模様。
青色は王権や自由と協力の意味をもち、中央の赤色は国家に対する忠誠心や内乱などによって流された血を意味しています。
中央は広くスペースが取られ、白いアンコールワットが配置されています。
アンコールワットとはカンボジアを象徴する寺院の遺跡であり、仏教徒の意味を持ちます。
ユネスコ世界遺産にも登録されているので知っている方は多いかと思われます。
元々はヒンドゥー教のお寺としてつくられましたが、16世紀後半に仏教寺院に改修され、現在も聖地として扱われています。
カンボジアの国旗の歴史とは!?
植民地時代や内乱によりカンボジアの国旗は数回に渡り変更されています。
現在のデザインと似たものは1948年ごろから使用されています。
フランス保護時代(1963~1948年)
青色で四隅が囲まれ、中央背景は赤色、真ん中にアンコールワットが大きめに描かれています。
日本進駐時代(1942~1945年)
全体が赤色、中央部に白色で「回」のような模様が入っており、日本の国旗と似たようなデザインとなっています。
「回」のような模様はアンコールワットを上から見た様子を表しているそうです。
カンボジア王国時代(1948~1970年)
現在とほぼ変わらないデザインです。
クメール共和国時代(1970~1975年)
右上四分の一スペースが赤色背景にアンコールワット、その他は青色です。
カンボジアの首相が親米派だったため左上に白色で三つの星が描かれています。
どこかアメリカの星条旗を思わせるデザインとなっています。
民主カンプチア時代(1975~1979年)
赤色背景の中央に輪郭だけのアンコールワットが黄色で描かれたもの。
親中国派であったポル・ポト政権。色合いが中国の国旗と似たものとなっております。
カンプチア人民共和国時代(1979~1989年)
民主カンプチア時代とほぼ同じですが、中央のアンコールワットの塔の数が5つになっています。
(民主カンプチア時代のものは塔が3つ)
ベトナム軍と深い関わりのあったヘン・サムリンの政権のためか、ベトナム国旗と似たデザインとなっています。
カンボジア国時代(1989~1991年)
真ん中から上が赤色、下が青色の背景、中央に5本の塔を持つアンコールワットが黄色で描かれたもの。
カンボジア最高国民評議会(SNC)時代
全体が水色の背景。
中央にカンボジアの国の形が白で描かれています。
カンボジア王国(1993~現在)
現在のデザインです。
余談ですが、カンボジアが親日国となったのは内戦終了後です。
日本の自衛隊が派遣され手厚い支援を行ったためと言われています。
カンボジアの国旗と似ている国は?
フランス
現在のカンボジアの国旗の原案ができたのはフランスの保護区時代でした。
その為かフランスの国旗と色合いが似ています。
フランスの国旗は青、白、赤の縦縞です。
カンボジアの国旗も青と赤と白が使われています。
フランスの国旗の意味は青は王家、白は平等、赤は博愛を意味しています。
カンボジアの青も王権を表しているので同じ意味から使用されたのかもしれません。
ラオス人民民主共和国
カンボジアの隣の国であるラオス。
赤、青、赤が1:2:1で並んだ横縞。
中央に白い丸が描かれており、色の配置は違えどほぼカンボジアとほぼ同じデザインです。
デザインは似ていますが意味は異なり、赤は血の色、青は国の豊かさ、中央はメコン川にのぼる月を表しているそうです。
カンボジアの国旗と似たデザインを持つ国は他にもたくさんあります。
- オランダ
- ルクセンブルク
- ロシア
- クロアチア
- スロバキア
- スロベニア
- セルビア
- パラグアイ
- 北朝鮮
- タイ
- コスタリカ
など。
これら全て赤、青、白の色が使われており、横縞模様です。
カンボジアの国の名前の由来は?
カンボジアの国の名前は仏教に由来すると言われています。
現地の人には「カンプーチャ」と呼ばれているカンボジア。
「カンプー」は建国者と言われるインドのお坊さん、「チャ」は子供を指します。
つまりカンボジアは御坊さんの子供達の国という意味合いを持っています。
カンボジアは熱心な仏教国で、国旗にも仏教を示す白色が使用されています。
カボチャの名前の由来はカンボジアと関係があるの!?
カボチャの名前は国の「カンボジア」からつけられたものです。
カボチャが日本に入ってきたのは戦国時代(1532~55年)ごろ。
来日したポルトガル人が日本に持ち込みました。
その際にカボチャを「カンボジアの産物」と伝え、それがなまって「カボチャ瓜」と呼ばれるようになります。
やがて瓜が抜け「カボチャ」という呼び方が定着したと言われています。
カボチャを漢字で書くと「南瓜」これは南蛮から来た瓜という意味を持ちます。
カボチャにはポルトガル語でウリ科の植物を意味する「ボウブラ(abobora)」という呼び方もありましたが、全国的に定着はしなかったようです。
現在は九州近辺(主に熊本あたり)の方言として使われています。
まとめ
- 国旗の由来や意味
カンボジアの国旗は青、赤、青が1:2:1の割合で並んだ3つの横縞模様。
青色は王権や自由と協力の意味、赤色は国家に対する忠誠心や内乱などによって流された血、アンコールワットは仏教徒を表しています。
- 歴史
政権によって国旗が変更されたカンボジア。
1963年~1993のわずか30年の間に9回も変更されています。
現在のデザインになったのは1993年からです。
- 国の名前の由来
由来は仏教徒。
カンボジア人は自らの国をお坊さんの子供達の国という意味を持つ「カンプーチャ」と呼ぶそうです。
- カボチャとカンボジアの関係
戦国時代にポルトガル人によって伝わったカボチャ。
「カンボジアの産物」が訛って「カボチャ瓜」と呼ばれるようになり、最終的に「カボチャ」と呼ばれるようになったそうです。
内戦により世界遺産でもあるアンコールワットは酷く傷つけられ、周りには地雷も埋められました。
少しずつ復興され、治安も徐々に良くなってきているそうです。
現在急速な経済成長を遂げているカンボジアは2020年ごろまで好調が続くと言われています。
ぜひ平和な観光地として発展を遂げていってほしいものです。